配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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研究実績の概要 |
ヒト因子由来再構成型翻訳システムに、ヒト細胞質主要シャペロンタンパク質(シャペロニンCCT, 新生鎖結合シャペロンNAC, リボソーム結合シャペロンRAC, Hsp70s, Hsp90s, プレフォルディン)を添加することにより再構成型翻訳・細胞質フォールディング連動システムシステム(細胞質タンパク用)を樹立した。次に再構成型翻訳・SRP連結システムの開発を進めた。まずSRPの再構成に取り組んだ。SRPは302ntのRNA (7SL RNA)とSRP9, SRP14, SRP19, SRP54, SRP68, SRP72といった6種類のタンパク質から成る。7SL RNA はin vitroの転写によって得た。SRP9, SRP14, SRP19, SRP54, SRP68, SRP72をHeLa細胞抽出液再構成系及び再構成系で発現するシステムを整えた。また、これらをT7 RNPワクシニアウイルスシステム(BHK細胞)で同時発現するシステムを構築した。次にSRPリセプター(SRa, SRb)及びSec61トランスロコン(Sec61a, Sec61b, Sec61g)を発現するシステムをHeLa細胞抽出液再構成系、再構成系そしてT7 RNPワクシニアウイルスシステム(BHK細胞)にて構築した。これらは複合体であるため、共発現、または単独発現+混合 という二つの戦略に関しての条件検討を行った。目下のところSRP, SR, Sec61いずれもHeLa細胞抽出液再構成系で発現し、FLAGカラムを利用して複合体を精製するという方法が最も効率が良いことがわかった。次年度はこのシステムを利用して、リコンビナントSRP, SRa/SRb/Sec61a/b/g を精製し、再構成系とliposome上で「再構成型翻訳・SRP連結システム」を構築していく。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度で整えたSRP発現システムを用いてリコンビナントSRPを構築し精製する。また、SRPリセプター (SRa, SRb), Sec61複合体 (Sec61a, Sec61b, Sec61g) を再構成系及びT7 RNPワクシニアウイルスシステム(BHK細胞)で発現し、精製するシステムを整備する。SRPリセプター (SRa, SRb), Sec61複合体は膜に組み込まれるため、リポソームにこれらを再構成していく。これを再構成ERの原型とし、上の再構成SRPと組み合わせることによりribosome-ER連動システムを構築していく。この連動システムが作動しているかどうかを確認するためのリポーターとしてSP (signal peptide)-EGFP HAを用いる。SPをEGFPタンパクのN末に付加することにより、EGFPタンパクが再構成ERの中に挿入されるようになる。アッセイとして、蛍光顕微鏡観察及びタンパク質分解法を用いる。前者を用いた場合、EGFP発現では視野全体に蛍光が観察されるが、SP-EGFP HA発現では膜上に局在蛍光が観察されると予想される。また、タンパク質分解法を用いると、EGFP HAは速やかに分解を受けるがSP-EGFP HAは脂質二重膜に保護されるため分解されにくいと考えられる。これはWestern blot (HA抗体)を用いて簡単に確認できる。また2024年度から解析予定であるCFTRやアンチトリプシンの再構成試験管内翻訳系での発現システムを整える。特にCFTR DNAは大腸菌内での維持が困難であることが分かっているためPCR templateを用いた発現システムを構築していく。
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