研究課題/領域番号 |
23K23876
|
補助金の研究課題番号 |
22H02613 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福田 光則 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (50311361)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
|
キーワード | 低分子量G蛋白質Rab / エンドソーム成熟 / 膜輸送 / リソソーム / Rab不活性化因子 / Rab不活性因子 / TBC1D18 / ノックアウト細胞 / 網羅的スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内に取り込まれた物質がエンドソーム成熟を経て分解される過程には、低分子量G蛋白質Rab5とRab7が重要であり、Rab5からRab7へのカスケードモデルが提唱されている。しかし、哺乳類細胞における両者の欠損細胞の表現型は著しく異なっており、未知の仕組みが存在すると考えられる。本研究では、新規Rab5不活性化因子・TBC1D18によるエンドソーム成熟機構を解明し、新たなモデルの確立を目指す。
|
研究実績の概要 |
エンドサイトーシスによって細胞内に取り込まれた細胞膜上の分子や外来性の因子は、エンドソーム成熟(初期エンドソーム、後期エンドソームを経てリソソームで分解)と呼ばれる一連の過程を経て分解されるか、リサイクリングエンドソームを経由して再利用される。前者のエンドソーム成熟には、低分子量G蛋白質のRab5からRab7への変換が重要であり、初期エンドソーム上のRab5がMon1-Ccz1を介してRab7を活性化するだけでなく、Mon1がTBC1D18をリクルートすることでRab5を不活性化し、後期エンドソームへと成熟することが昨年度までに明らかになっている。しかし、Mon1とTBC1D18は直接結合しないことから、本年度はこの間を仲介する候補因子の探索を行った。また、後者のリサイクリングに関しては、クラスリン非依存性のエンドサイトーシス経路に関与する管状エンドソームに着目し、Rabファミリーによるその形態制御の分子基盤の解明にも取り組んだ。本年度は、管状エンドソームの形成に重要なRab22の上流活性化因子(グアニンヌクレオチド交換因子)の解析を行い、Vps9ドメインを有する機能未知のVps9d1という分子の同定に成功した(Nakashima et al., J. Cell Sci., 2023)。Vps9d1の一部はEEA1陽性の初期エンドソームに近接して局在し、Rab22の活性化を介して管状エンドソームの形成を促進することが明らかになった。このため、Vps9d1をノックアウトしたHeLa細胞では、管状エンドソームの形成能が著しく低下し、これに伴いクラスリン非依存性の経路でリサイクルされるCD147の細胞表面の量が有意に減少することが明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は、エンドソーム成熟に重要なMon1とRab5不活性化因子・TBC1D18を仲介する分子の探索を行い、その候補因子の絞り込みに成功した。また、Rabファミリーによる管状エンドソームの形態制御の分子基盤の解明にも取り組み、管状エンドソームの形成に重要なRab22の活性化因子を初めて同定するなど、期待以上の成果を挙げることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、エンドソーム成熟におけるMon1とTBC1D18の機能的相互作用について解析を進めると共に、Rabファミリーによる管状エンドソームの形態制御の分子基盤の解明に取り組む。
|