研究課題/領域番号 |
23K23888
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補助金の研究課題番号 |
22H02625 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 京都大学 (2024) 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設) (2022-2023) |
研究代表者 |
青木 一洋 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (80511427)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | ERK / AKT / 細胞周期 / イメージング / Akt / FRET |
研究開始時の研究の概要 |
真核生物の細胞分裂における一連の過程は細胞周期と呼ばれている。細胞周期の中で、外部の栄養状態や成長因子などを認識し、細胞周期を進めるかどうかを決定するG1-S期チェックポイントの理解は、基礎的にも臨床的にも重要である。G1-S期チェックポイントの進行において、古典的MAPキナーゼであるERKの活性化が必要であることが知られているが、G1-S期チェックポイント進行の十分条件となる細胞内シグナル伝達系ほとんど未解決のままに残されている。本研究では、細胞周期の進行、とくにG1-S期チェックポイントの進行におけるERKとAKTの動的ゲート機構を明らかにすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、細胞周期進行、とくにG1-S期チェックポイント進行におけるERKとAKTの「動的ゲート機構」を解明することを目的とする。本年度は、各細胞周期におけるERKとAKTの活性の動的な変化と相互の連関哺乳類培養細胞(MCF-10A)にERKとAKTのバイオセンサー(ERK-KTR, AKT-KTR)、さらに細胞周期のセンサーを導入し、ERKとAKTの活性、さらには細胞周期の状態を可視化できるようにした。さらに、細胞株を血清や増殖因子の存在下で長期間タイムラプス観察し、各細胞周期におけるERKやAKTの活性動態を定量化した。その結果、ERKは既報のとおり確率的な活性化を示したが、Aktもほぼ同様の確率的な活性化ダイナミクスを示すことが分かった。これらの時系列データを基に、統計解析により各細胞周期における特徴的なERK活性やAkt活性の抽出を行っている。また、各種阻害剤を添加したときのERKとAKT活性の変化と細胞周期がどの時期に停止するのかを調べたところ、MEK阻害剤は既報のとおりG1期に停止させたが、AktやPI3K阻害剤はG1やS/G2期て停止させることが分かった。これらの結果から、AktはG1/S期移行だけでなく、S/G2期進行にも関与している可能性が分かった。現在、ERKとAktの活性を操作する光遺伝学ツールを開発と導入を進めている。また、得られた膨大な画像データから情報を効率よく定量化するための画像解析パイプラインの確立を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね計画通りに進んでいる。ERK、Akt、細胞周期マーカーを発現するMCF-10A細胞の樹立とその細胞株を用いたタイムラプスイメージングによるERK、Akt活性ダイナミクスの定量化、さらには阻害剤を用いた解析まで進めることができた。現在、光遺伝学ツールの導入と画像解析パイプラインの確立を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
光遺伝学ツールを用いたERK、Akt活性の光操作とそれによる細胞周期進行の影響を定量化する。さらに膨大なデータを含む画像解析から如何に情報を抽出するかということをすすめる必用があり、画像解析のパイプラインの構築を同時並行で進める。
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