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成長期初期の飢餓経験が成熟期での表皮組織リプログラムを撹乱する機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K23892
補助金の研究課題番号 22H02629 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分44020:発生生物学関連
研究機関東京大学

研究代表者

福山 征光  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 講師 (20422389)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
キーワード飢餓 / 脱皮 / 線虫 / 記憶 / 成熟 / 栄養 / 成長 / ストレス記憶
研究開始時の研究の概要

ヒトを含む動物では、成長期初期でのストレス経験が成熟後の疾患ストレスなどの表現型に影響を与えることが示唆されている。しかしながら、なぜストレス経験がこのような時間的に隔たった作用を及ぼすのかわかっていない。本研究では、ライフコースの短い線虫で、飢餓経験を受けると健全に成熟できない変異体を見出した。この変異体解析を糸口にして成長期のストレス応答と健全な成熟を結びつけるメカニズムを解明する。

研究実績の概要

私が独自に単離した変異体は、成長期初期に飢餓ストレスを経験すると成虫になっても脱皮を試みてしまい死んでしまうというユニークな表現型を示す。線虫は成虫になると脱皮しなくなることから、ストレスを経験したこの変異体は子供から大人への成熟プロセスに異常が生じたと考えることができる。この変異体の責任遺伝子が飢餓ストレス記憶を介在するメカニズムを明らかにするために、下流遺伝子の探索を抑圧変異体スクリーニングと遺伝子変動発現解析によりおこなった。抑圧変異体スクリーニングでは、変異体が飢餓条件下で生存率低下を示すことに着目し、その表現型の抑圧変異体の単離同定を試みた。単離した変異体群のうち、恒常的にdauer形成を示す変異体が2系統単離されたものの、継代と増殖ができないためにそれらの責任遺伝子を同定することができなかった。これらの変異体に加え、さらに2系統の抑圧変異体を単離したが、飢餓条件下における発生停止や飢餓ストレス経験後の表現型観察より、これらの抑圧変異体の責任遺伝子はジェネラルに飢餓条件下での生存に寄与するものであり、本研究の対象とする変異体責任遺伝子との直接的な関連の可能性が低いものであった。そこで、飢餓条件下で野生型と比較して変異体で発現変動を示す遺伝子群をRNAシーケンスによって同定し、その中から本研究の対象とする変異体責任遺伝子の下流遺伝子を探索した。その結果当該変異体ではmab-10遺伝子が顕著に発現亢進していることが認められた。また、当該変異体とmab-10変異体の二重変異体では当該変異体の飢餓条件下における発生進行と生存率低下が顕著に抑制されたことから、mab-10は当該変異体責任遺伝子の下流遺伝子であることが示唆された。mab-10は成虫の成熟化にも寄与するということが報告されており、成熟化プロセにおいても当該変異体責任遺伝子との相互作用があることが推測された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

有望な下流因子を同定することができた点は計画通りであった。
その一方でTurboID遺伝子挿入株の作出に時間が予想外にかかってしまい、相互作用因子群の解析が当初計画より遅れている。

今後の研究の推進方策

同定した下流遺伝子、およびTurboIDにより同定した相互作用因子群の解析を継続する。また、個体の成熟タイミングを制御するヘテロクロニック遺伝子群と当該変異体との相互作用を進めていく計画である。

報告書

(1件)
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] ハイデルベルグ大学(ドイツ)

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [雑誌論文] Molecular basis promoting centriole triplet microtubule assembly2024

    • 著者名/発表者名
      Takeda Yutaka、Chinen Takumi、Honda Shunnosuke、Takatori Sho、Okuda Shotaro、Yamamoto Shohei、Fukuyama Masamitsu、Takeuchi Koh、Tomita Taisuke、Hata Shoji、Kitagawa Daiju
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 15 号: 1 ページ: 2216-2216

    • DOI

      10.1038/s41467-024-46454-x

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] An antioxidant screen identifies ascorbic acid for prevention of light-induced mitotic prolongation in live cell imaging2023

    • 著者名/発表者名
      Harada Tomoki、Hata Shoji、Takagi Rioka、Komori Takuma、Fukuyama Masamitsu、Chinen Takumi、Kitagawa Daiju
    • 雑誌名

      Communications Biology

      巻: 6 号: 1 ページ: 1-12

    • DOI

      10.1038/s42003-023-05479-6

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ssDNA is not superior to dsDNA as long HDR donors for CRISPR-mediated endogenous gene tagging in human diploid RPE1 and HCT116 cells2023

    • 著者名/発表者名
      Mabuchi Akira、Hata Shoji、Genova Mariya、Tei Chiharu、Ito Kei K.、Hirota Masayasu、Komori Takuma、Fukuyama Masamitsu、Chinen Takumi、Toyoda Atsushi、Kitagawa Daiju
    • 雑誌名

      BMC Genomics

      巻: 24 号: 1 ページ: 1-16

    • DOI

      10.1186/s12864-023-09377-3

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] A CRISPR-del-based pipeline for complete gene knockout in human diploid cells2023

    • 著者名/発表者名
      Takuma Komori, Shoji Hata, Akira Mabuchi, Mariya Genova, Tomoki Harada , Masamitsu Fukuyama , Takumi Chinen , Daiju Kitagawa
    • 雑誌名

      J Cell Sci (2023) 136 (6): jcs260000.

      巻: 136 号: 6 ページ: 136-136

    • DOI

      10.1242/jcs.260000

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Search for a non-canonical amino acid responsive pathway2023

    • 著者名/発表者名
      福山 征光
    • 学会等名
      2023年度農芸化学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [備考] 東京大学大学院薬学系研究科生理化学教室

    • URL

      https://seirikagaku.f.u-tokyo.ac.jp/

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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