研究課題/領域番号 |
23K23893
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補助金の研究課題番号 |
22H02630 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
箭原 康人 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (60456390)
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研究分担者 |
中川 崇 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (40610374)
夜久 圭介 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (70761865)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 破骨細胞 / 細胞融合 / 骨発生 / 胎児造血 / 造血幹細胞 / 卵黄嚢 / 骨恒常性 / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
破骨細胞には、Hematopoietic Stem Cells (HSCs)と胎児卵黄嚢に発生するErythromyeloid progenitors (EMPs)を起源とする二種類の細胞集団が存在し、両者は互いに細胞融合を繰り返しながら、骨組織の再構築を駆動する。本研究課題では、起源によって定められたHSCおよびEMP由来破骨細胞の未知の機能を解明すること、両者が融合する意義や融合秩序を解明することを目的とした。破骨細胞の誕生に潜む謎を解明するとともに多核細胞形成ダイナミクスの基本原理を明らかにする。
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研究実績の概要 |
破骨細胞は、単球系細胞の融合によって誕生する多核細胞である。これまでの研究成果から、破骨細胞には骨髄Hematopoietic Stem Cells (HSC)と胎児卵黄嚢に発生するErythromyeloid progenitors (EMP)を起源とする細胞集団が存在し、両者は互いに細胞融合を繰り返しながら、骨リモデリングを駆動することが明らかとなった。本研究では、①HSCおよびEMP由来破骨細胞の機能、②細胞融合の意義や秩序、③多核破骨細胞における一細胞内転写制御機構を解明することを目的とした。 EMPおよびHSC由来破骨細胞の機能的な違いを解明するため、発生過程における破骨細胞の遊走に注目して研究を進めた。まず、単一細胞RNA発現解析、単一分子FISH (smFISH)を応用した空間トランスクリプトーム解析を組み合わせることで、HSCおよびEMP由来破骨前駆細胞に特徴的な遺伝子マーカーを同定した。この遺伝子マーカーを目印としてHSCとEMP由来破骨細胞を独立して追跡可能な細胞系譜モデルマウスを作出した。本マウスは、HSC由来とEMP由来細胞が異なる蛍光蛋白で標識されることから、一個体で異なる起源の破骨細胞を同時に観察することが可能となった。さらに、骨組織透明化技術を用いることで、骨発生初期に遊走する原始破骨細胞とその起源、時空間的な細胞形態や分布様式、骨への侵入機序が明らかとなった。また二光子励起顕微鏡を用いた生体ライブイメージング技術により、骨発生初期の破骨前駆細胞および成熟破骨細胞の挙動を記録する技術基盤を確立した。異なる二つの起源を持つ破骨細胞は、互いに融合することで新しい多様性を構築すると同時に、骨発発生初期の骨吸収を駆動することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
異なる起源を持つ破骨細胞を複数の蛍光蛋白質によって標識するマウスの樹立に成功した。現在の新たに樹立したマウスの表現型解析を進めており、おおむね予定通り研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、生体ライブイメージング技術、組織透明化技術、空間トランスクリプトーム技術を基軸に据え、起源の異なる破骨前駆細胞が時間的・空間的に相互作用しながら、1つの破骨細胞を形成する過程を詳細に追跡するとともに、破骨細胞の起源多様性の解明を進めていく。
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