研究課題/領域番号 |
23K23911
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補助金の研究課題番号 |
22H02648 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
峠 隆之 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (30415236)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | 植物二次代謝 / 代謝多型 / 種間比較ゲノム解析 / 機能ゲノミクス / 作物 / 二次代謝物 / オミクス統合解析 / 種間比較 / フラボノイド / 転移酵素遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
植物二次代謝物のひとつであるフラボノイド類は、陸上植物に広く保存される紫外線級能をもつ抗酸化物質である。近年の自然変異体や栽培品種の代謝多型解析により、特定の修飾酵素遺伝子の種内・種間変異の多型が植物体のストレス耐性向上や環境適応に関わることが明らかとなってきた。本研究では、フラボノイド類の特定の修飾酵素遺伝子、構造安定性や構造多様化に関わる修飾酵素遺伝子や、紫外線耐性の強化に関わるアシル基転移酵素遺伝子、揮発性や土壌細菌との相互作用に関わるメチル基転移酵素遺伝子について、複数の植物種を対象とした種間比較代謝オミクス統合解析法を構築し、新規機能分化遺伝子を特定し、機能分化様式を明らかにする。
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研究実績の概要 |
植物特化(二次)代謝物のひとつであるフラボノイド類は、陸上植物に広く保存される紫外線級能をもつ抗酸化物質である。近年の自然変異体や栽培品種の代謝多型解析により、特定の修飾酵素遺伝子の種内・種間変異の多型が植物体のストレス耐性向上や環境適応に関わることが明らかとなってきた。本研究では、フラボノイド類の特定の修飾酵素遺伝子、構造安定性や構造多様化に関わる修飾酵素遺伝子や、紫外線耐性の強化に関わるアシル基転移酵素遺伝子、揮発性や土壌細菌との相互作用に関わるメチル基転移酵素遺伝子について、複数の植物種を対象とした種間比較代謝オミクス統合解析法の構築を行う。2022年度は、解析の結果得られた新規機能分化候補遺伝子について、機能解析実験を実施し、機能分化様式を明らかにするためのデータ解析プラットフォームを整備した。また、研究成果として、メチル基転移酵素遺伝子の生理機能と機能分化の解析 (Liu et al., 2022)、メチル化物誘導体の生理機能に関する解析 (Delfin et al., 2022)、トマト代謝の器官特異性や植物種間代謝多型比較関連解析 (Lemaire-Chamley et al., 2022; Zhu et al., 2022)、アブラナ科植物の花序特異的な代謝の解析 (Borghi et al., 2022) を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、フラボノイド類の特定の修飾酵素遺伝子、構造安定性や構造多様化に関わる修飾酵素遺伝子や、紫外線耐性の強化に関わるアシル基転移酵素遺伝子、揮発性や土壌細菌との相互作用に関わるメチル基転移酵素遺伝子について、複数の植物種を対象とした種間比較代謝オミクス統合解析法の構築をすすめている。2022年度の研究成果として、析の結果得られた新規機能分化候補遺伝子について、機能解析実験を実施し、機能分化様式を明らかにするためのデータ解析プラットフォームを整備した。2022年度の研究成果として、メチル基転移酵素遺伝子の生理機能と機能分化の解析 (Liu et al., 2022)、メチル化物誘導体の生理機能に関する解析 (Delfin et al., 2022)、トマト代謝の器官特異性や植物種間代謝多型比較関連解析 (Lemaire-Chamley et al., 2022; Zhu et al., 2022)、アブラナ科植物の花序特異的な代謝の解析 (Borghi et al., 2022) を発表した。また、植物生理学会、日本バイテクノロジー学会やBMSカンフェレンスなどで研究成果を発表した。また、2022年度に得られた解析成果について、国際科学雑誌への投稿の準備を行っている。本研究の協力者 (海外研究機関) とは、オンラインミーティングなどを頻繁に行い、必要な情報の共有と連携の強化を行った。研究は概ね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、昨年度に構築した新機能分化シンテニー領域を介した種間比較ゲノム解析を用いて、標的遺伝子群のタンデム複製領域とその近縁種間に保存されるシンテニー領域に特定し、領域の種間相関マップを作製し、植物種特異的なタンデム複製遺伝子やレトロトランスポゾンなどを特定し、候補遺伝子の選抜を行う。2022年度に引き続き、候補遺伝子の植物種およびその近縁種の実験温室内で生育し、LC-MSを用いた代謝多様性解析を継続して実施する。また、検出されたフラボノイド類の質量とフラグメントパターンから生合成経路と候補遺伝子の器官特異性を予測し、利用可能な公開RNAseqデータを活用したオミクスデータ統合解析を行う。また、候補遺伝子の絞り込みと、遺伝子クローニングための植物種特異性と器官特異性を確認するための植物種の栽培とサンプリングを実施する。前年度までに得られた分析デ-タと種間比較オミクス統合解析結果は、成果がまとまり次第、学会で発表し、国際科学雑誌論文への投稿準備を行う。得られた候補遺伝子群について、分子生物学・生化学実験による、機能解明を開始する。ゲノム解析および種間比較トランスクリプトーム解析は、引き続き研究協力者と連携して行い、オンラインでのミーティングなどにより研究を遂行する。
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