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シス因子による哺乳類の新しい性決定メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K23930
補助金の研究課題番号 22H02667 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分45010:遺伝学関連
研究機関北海道大学

研究代表者

黒岩 麻里  北海道大学, 理学研究院, 教授 (20372261)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
キーワードY染色体 / XO型 / トゲネズミ / 性分化 / SRY / XO
研究開始時の研究の概要

Y染色体と性決定遺伝子SRYを消失したアマミトゲネズミにおいて、SOX9遺伝子の約430 kb上流にオス特異的な重複が存在することを発見した。本研究では、重複することでSOX9の転写を上方制御するエンハンサーと、そのエンハンサーを標的とする転写因子を特定し、SRY不在下におけ
るシス因子による性決定メカニズムを解明する。本種の生体材料は入手が困難であることから、本種のSOX9上流の重複状態を再現したゲノム改変マウスを作成し、解析に用いる。また、in vitro 実験系を用いて重複中のエンハンサー配列と、標的とする転写因子を特定し、SRY不在下に
おけるシス因子による性決定メカニズムを解明する。

研究実績の概要

Y染色体と性決定遺伝子SRYを消失したアマミトゲネズミにおいて、SRY 遺伝子に依存しない有胎盤哺乳類の新しい性決定メカニズムを明らかにする。我々は、これまでに本種の性差が見られるゲノム領域を探索し、SOX9遺伝子の約430 kb上流にオス特異的な重複が存在することを発見した。この重複ユニット内に精巣特異的エンハンサーが存在し、エンハンサーが重複することでSRYなしにSOX9の発現が上昇し、精巣分化が起こりオスとなることを仮定した。本研究では、重複することでSOX9の転写を上方制御するエンハンサーと、そのエンハンサーを標的とする転写因子を特定し、SRY不在下におけるシス因子による性決定メカニズムを解明する。SRYに依らない性決定メカニズムの報告はこれまでに無く、さらにシス因子による性決定メカニズムの発見は、哺乳類においては初めてのものである。
本年度は、アマミトゲネズミのオスのみが持つSOX9遺伝子上流の重複領域34 kbを、マウスの相同配列と組換えたノックインマウスの作成に成功した。マウス作成は、研究協力者の大阪大学 伊川正人教授らにより行われた。作成されたマウスを研究代表者の所属機関である北海道大学に導入し、交配により重複をヘテロでもつXX型個体を得て、外部および内部生殖器官の形態を解剖学的に確認した。また、ジェノタイピング実験系の確立およびノックインマウスのゲノム配列を解読し、34 kbの重複配列に変異が生じていないかなどの確認を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ノックインマウスの受け入れ後、マウス個体の死亡や重複を持つ仔が得られない状況があり、個体の産出に予想以上に時間がかかったため。

今後の研究の推進方策

重複をヘテロでもつXX型個体では、精巣を持つなどの生殖器官の性転換が起こることを期待したが、残念ながら成獣では野生型のメスマウスと同じ表現型を示した。今後は、重複をホモでもつXX個体を作成し、生殖器官の解剖学的観察を行う。さらに、SXO9遺伝子の発現が開始する胎齢13.5日の胚を得て、胚生殖腺の形態観察、Sox9およびその他の性分化関連遺伝子の発現を確認する。

報告書

(1件)
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] ラ・トローブ大学(オーストリア)

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [雑誌論文] Turnover of mammal sex chromosomes in the Sry-deficient Amami spiny rat is due to male-specific upregulation of Sox92022

    • 著者名/発表者名
      Terao M, Ogawa Y, Takada S, Kajitani R, Okuno M, Mochimaru Y, Matsuoka K, Itoh T, Toyoda A, Kono T, Jogahara T, Mizushima S, Kuroiwa A.
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America

      巻: 119 号: 49

    • DOI

      10.1073/pnas.2211574119

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Y染色体の運命2023

    • 著者名/発表者名
      黒岩麻里
    • 学会等名
      映像情報メディア学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Y染色体とSRY遺伝子をもたない哺乳類の性決定メカニズム2023

    • 著者名/発表者名
      黒岩麻里
    • 学会等名
      湯島性分化勉強会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 消えゆくY染色体の運命―Y染色体をもたない哺乳類の性決定―2022

    • 著者名/発表者名
      黒岩麻里
    • 学会等名
      第7回HURDS (Hokkaido Urological Research & Disease Seminar)
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Sry遺伝子に依存しない哺乳類の性決定メカニズムの解明2022

    • 著者名/発表者名
      黒岩麻里
    • 学会等名
      第45回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [備考] 哺乳類の新しい性決定の仕組みを発見―Y染色体とSry遺伝子が消失してもオスは消滅しない

    • URL

      https://www.hokudai.ac.jp/news/2022/11/ysry.html

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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