発芽した場所から移動することのできない植物にとって,生育環境を感知する光受容体は,開花をはじめ,植物が子孫を残すことに関わる形質を環境に適した形へと変化させる働きをもつ。本研究では光受容体(フィトクロム)の環境を感知する性質(環境感受性)の進化が,種分化の引き金となるかを検証することを目指している。この目的を達成するために,本研究では(1)形質転換植物を用いた生理学実験を行い,フィトクロムの環境感受性の進化が,種分化に関連する表現型(開花期の違いなど)に影響するかを検証する。また,(2)フィトクロムの環境感受性における進化が様々な植物に共通した現象であるかを検証する。
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