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適応戦術としての動物の移動:河川性サケ科魚類の大規模モニタリングによる検証

研究課題

研究課題/領域番号 23K23957
補助金の研究課題番号 22H02694 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分45040:生態学および環境学関連
研究機関北海道大学

研究代表者

岸田 治  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (00545626)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
キーワード生息場所 / 移動 / 河川性魚類 / サケ科 / 生活史 / サケ科魚類 / PITタグ / 長期モニタリング / 個体追跡 / モニタリング / 適応 / 個体成長 / 多型 / 降海
研究開始時の研究の概要

動物たちの生息場所の変更は,環境条件の変化にあわせた適応的な行動として解釈されてきたが,生息場所の変更が個体によってどう異なっているのかはよくわかっていない.自然界では生息可能な空間はパッチ状に広がっており,個々の生息場所の条件は様々に異なる.個本研究では,河川性サケ科魚類を対象に,PITタグ-アンテナシステムを用いて個体の生息場所の利用とその変更の実態を探る.PITタグ(電磁式のICチップ)を装着した数千匹の魚を対象に,読み取りアンテナを使って個体の移動を追跡しつつ,定期的な採捕調査や行動観察を組みあわせることで,生息場所利用の条件依存性とその帰結を明らかにする.

研究実績の概要

4月,7月,10月に幌内川の上流域5.3kmの調査区間において採捕調査を行い,個体にPITタグを装着した. 持ち運び式のPITタグアンテナを用いて調査区間内を毎月1度以上踏査し,個体位置の把握をした.魚の広域移動は河川6箇所に設置した個体式のアンテナで常時モニタリングした.以上の調査から得られたデータに加え以前から蓄積してきたデータをあわせて解析し、以下の研究を実施した
研究① 移動の同調性のパターン解析:サケ科魚類を対象とし、個体の移動パターンを分析した.サクラマスでは繁殖時期に移動が盛んになるが,それは成熟個体のみならず未成熟の個体においてもみられることが明らかとなった.未成熟個体は卵を食うためか,成熟個体の移動に伴うハビタット内の個体間競争の変化に応答して移動をした可能性がある。
研究② 倒木によるハビタット形成後の移動様式の探索:本年度は予備実験を行った。幌内川中流に倒木を設置し,淵ができる過程を観測しつつ,魚類の定着を確認した。この結果をもとに次年度に大規模な実験を展開する。
研究③移動の日周性の分析:サクラマスでは夕方と朝方に毎日移動をしている個体が一定数おり、昼間の生息場所と夜間の生息場所を変えている可能性が示唆された。
研究④サクラマスのハビタット変更:サクラマスでは繁殖時期に河川内を盛んに移動し,それをきっかけとしてハビタットを変える場合が多いことがわかっているが,ハビタットを帰る際,どのようなハビタットに入植するのかを調べたところ,繁殖期以前に,自分と同じか大きいサイズの個体が抜けた空間に新しく定着することがわかり,河川スケールでの個体の入れ替わりが生じていることが示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた調査を実施し、ほとんどのトピックで計画通り進んでいる。予備的な研究に終わったものもあるが、基礎的なデータが得られたので次年度に大きく展開できる。

今後の研究の推進方策

本年度は、河川に倒木を設置する実験を数百メートルの流程スケールで反復を取りつつ行う。大規模な実験ではあるが危険を伴うため、安全第一で進める。
実験の前後で持ち運び式のPITタグアンテナを用いた調査を繰り返し行い、個体の移動を詳しく調べるなど、本研究系の強みを生かした研究として展開する。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] コロラド州立大学/ノースカロライナ大学(米国)

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [国際共同研究] コロラド州立大学/ノースカロライナ大学(米国)

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 北限域のウナギはどこにいる?~分布を決める環境・地理的要因2023

    • 著者名/発表者名
      村松寛太, 黒木真理, Yu-Lin (Eda) Chang, 森田健太郎, 岸田治
    • 学会等名
      第39回個体群生態学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] サクラマス残留型のハビタット変更-個体のサイズに着目して2023

    • 著者名/発表者名
      森山泉梨, 菅野陽一郎, 二村凌, 奥田篤志, 森田健太郎, 岸田治
    • 学会等名
      第39回個体群生態学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] サクラマス残留型オスの生息場所への執着2023

    • 著者名/発表者名
      森山泉梨, 二村凌, 奥田篤志, 内田次郎, 岸田治
    • 学会等名
      日本生態学会第70回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] シベリアヤツメにおけるスニーク戦術とファイター戦術の受精成功2023

    • 著者名/発表者名
      三枝弘典, 古澤千春, Lea DAUPAGNE 岸田治, 小泉逸郎
    • 学会等名
      日本生態学会第70回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Stay longer in natal habitat or migration corridor: Size-dependent behaviors of masu salmon migrants before oceanic migration.2023

    • 著者名/発表者名
      Ryo FUTAMURA, Kentaro MORITA, Yoichiro KANNO, Akira TERUI, Senri MORIYAMA, Atsushi OKUDA, Osamu KISHIDA
    • 学会等名
      日本生態学会第70回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Fish movement and habitat shift during the reproducive period of Masu Salmon (Oncorhynchus masou)2023

    • 著者名/発表者名
      Senri MORIYAMA, Ryo FUTAMURA, Kentaro MORITA, Akira TERUI, Atsushi OKUDA,Osamu KISHIDA, Yoichiro KANNO
    • 学会等名
      2023 Annual meeting of the Colorado/Wyoming chapter of the American Fisheries Society
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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