研究課題/領域番号 |
23K23986
|
補助金の研究課題番号 |
22H02723 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
|
研究機関 | 名古屋大学 (2024) 生理学研究所 (2022-2023) |
研究代表者 |
深田 優子 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (40416186)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
|
キーワード | シナプス / 液-液相分離 / ナノカラム / ナノ構築 / ナノドメイン |
研究開始時の研究の概要 |
神経シナプスでは、情報を伝える側のシナプス前部と、情報を受け取る側のシナプス後部が協調して機能することが不可欠である。近年の超解像観察により、シナプス前部とシナプス後部のシナプス伝達に関わる蛋白質は、ナノメートルレベルで対面整列していることが分かってきた。本研究では、(1)シナプス前部、後部の蛋白質が対面整列を維持する分子機構を明らかにし、(2)疾患において、この機構がどのように破綻するのかを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
神経シナプスでは、シナプス前部と後部が協調して作動して、神経細胞間の情報伝達が行われる。近年の超解像観察により、シナプス前部の神経伝達物質放出に関わるタンパク質とシナプス後部の受容体集積に関わるタンパク質は、シナプス膜局所でナノドメインを形成しており、これらがナノスケールで対面整列することが精緻なシナプス伝達に重要であることが分かってきた(シナプス-ナノカラム仮説)。一方、PSD-95やSynGAP等のシナプスタンパク質は、試験管内で液-液相分離(相分離)を介して膜によらない区画(液滴)を形成するが、シナプス-ナノ構築における相分離の生理的意義は明らかではない。本研究では、(1) “種々のシナプス構成タンパク質が相分離を駆動し、ナノカラムを構築維持する”という仮説を検証し、(2)構成タンパク質の疾患変異がナノカラム形成と相分離に与える影響を明らかにする。さらに、(3)神経細胞-グリア細胞間の相互作用における相分離の関与と機能を明らかにすることを目的とする。2022年度は、様々なシナプス構成タンパク質を組換えタンパク質として精製し、試験管内で液-液相分離を検証することが可能な実験系(沈降実験やイメージング実験等)を構築した。また、神経細胞軸索とオリゴデンドロサイト間に見られる特殊な膜区画(ノード、パラノードや傍パラノード)の形成に関わるタンパク質群を精製した。今後、これら精製タンパク質を様々な組み合わせで混合し、相分離が駆動されるかを検証していく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
液-液相分離を特異的に検証することができる実験系(沈降実験やイメージング実験等)を構築し、様々なシナプスタンパク質精製標品を得た。
|
今後の研究の推進方策 |
1. 液-液相分離を駆動するシナプスタンパク質の組み合わせを検討する。 2. 神経細胞軸索とオリゴデンドロサイト間の膜区画(ノード、パラノードや傍パラノード)の形成機構を解明すると共に、液-液相分離の関与を検討していく。
|