研究課題/領域番号 |
23K23993
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補助金の研究課題番号 |
22H02730 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
星野 幹雄 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 病態生化学研究部, 部長 (70301273)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 小脳 / 顆粒細胞 / 増殖・分化 / 転写因子 / 神経前駆細胞 / ATOH1 / 神経細胞 / MEIS1 / CUL3 / タンパク分解 / 神経 / 発生 / ユビキチン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、マウス小脳の顆粒細胞(Granule Cells, GCs)をモデル神経細胞として「神経前駆細胞が適切なタイミングで適切な数の神経細胞を生み出す仕組み」を明らかにすることである。そのために、顆粒細胞前駆細胞(GCPs)の、AT-ND Transitionの速度調節機構について、遺伝子改変マウスを用いた解析、および単一細胞トランスクリプトーム解析などによって調べ、その分子実態を明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、マウス小脳の顆粒細胞(Granule Cells, GCs)をモデル神経細胞として「神経前駆細胞が適切なタイミングで適切な数の神経細胞を生み出す仕組み」を明らかにすることである。先行研究で、増殖性の顆粒細胞前駆細胞(GC Progenitors, GCPs)には「未分化なAT+GCPs」と「少し分化したND+GCPs」の二種類があることを見出した。本年度は、前年度に引き続き、ATOH1タンパク質の分解制御機構という観点から、このAT-NDトランジションのスピードの制御機構について成果を出すことができた。前年度には、AOTH1がCUL3というE3リガーゼを介して分解されること、その作用についてホメオドメインを持たないMEIS1アイソフォーム(MEIS1-HdL)によって抑制されることを見出していた。 今までに、CULファミリータンパク質とその基質との結合性を調節するタンパク質複合体として、CSN複合体が知られている。CSN複合体はCULタンパク質に結合することによって、CULと基質との結合性を弱め、基質のユビキチン化を阻害するとされている。本年度、我々は、MEIS1がCSN複合体とCUL3の両者と結合することでCUL3とCSN複合体の結合強度を高めること、それによってCUL3がATOH1へと結合できなくなることでATOH1のユビキチン化と分解が阻害されることを明らかにすることができた。さらに、MEIS1-HdLは、この経路を介してAT-ND トランジションを抑制し、顆粒細胞発生を遅らせていること(小脳へのEP実験)、も明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度までに、AT-NDトランジションのスピードの制御には、CUL3によるATOH1タンパク質の分解制御が関わること、その過程をホメオドメンを持たないMEIS1アイソフォーム(MEIS1-HdL)が抑制し、早すぎる分化を抑えていること、を明らかにしてきた。本年度では、MEIS1-HdLがいかにしてCUL3によるATOH1の分解抑制に働くのかという制御機構を、CSN複合体を含めた三量体形成という観点から明らかにすることができた。このように、ここまでは順調に研究が進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、小脳顆粒細胞系で見られた神経前駆細胞から神経細胞への分化の制御機構について、同様な機構が大脳皮質発生でも見られるかどうかについて、研究を推進していく。そのためには、小脳及び大脳の発生過程での単一細胞RNAseqデータを活用し、そこから仮説を抽出した上で、その仮説をマウスモデルで検証していく。
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