研究課題/領域番号 |
23K23996
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補助金の研究課題番号 |
22H02733 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
坪井 昭夫 大阪大学, 大学院薬学研究科, 招へい教授 (20163868)
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研究分担者 |
高橋 弘雄 香川大学, 医学部, 講師 (20390685)
森 英一朗 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (70803659)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
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キーワード | 神経科学 / 神経可塑性 / 神経保護 / 脳血管疾患 / 神経活動依存性 / 神経回路形成 |
研究開始時の研究の概要 |
脳梗塞が起こると、失われた神経細胞や回路を補填するため、生き残ったニューロン同士が新たにシナプスを再構築する。残存したニューロンについては詳細に研究されているのに対して、虚血による神経細胞死を防御する分子機構は殆どわかっていない。私共は最近、健常な脳において神経活動依存的にシナプス形成を促進する転写因子Npas4が、脳梗塞後に一過性に発現し、神経細胞死を抑制することことを見出した。そこで本研究では、脳梗塞の発症初期に発現するNpas4に着目して、虚血による神経細胞死を防ぐ分子メカニズムを解明すると共に、この機構を操作することにより、脳梗塞などに対する革新的な予防・治療法の開発につなげる。
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研究実績の概要 |
A)Npas4が発現誘導する下流遺伝子Gemの機能解析(代表:坪井、分担:高橋・森) A-1)Npas4が直接的にGem遺伝子の発現を制御しているのか?:Npas4が直接、Gem遺伝子の発現を調節しているのかを明らかにするために、中大脳動脈閉塞手術後の大脳皮質を摘出し、細胞核を単離してNpas4抗体を用いたChIP-seq法で解析中である。そして、Gemゲノムの近傍にNpas4の結合配列であるTGA(C/G)TCAが見出されるかどうかを検討している。 A-2)構成的活性化型(constitutively active)のGem変異体を用いた解析:GemはRasファミリーの低分子量Gタンパク質であり、GTPが結合している時は‘オン’で、エフェクタータンパク質と相互作用し、下流にシグナルを伝達する。最近、Gemに関して構成的活性化型Gem-Q84V変異体が報告された(Sci Signal, 13, 2020)。そこで、Gem-Q84V変異体を過剰発現させたマウス初代培養ニューロンに、虚血様負荷を与えた後の細胞死の割合を調べるために、このプラスミドを作製した。
B)Npas4が発現誘導する新たな下流遺伝子の同定と機能解析(代表:坪井、分担:高橋) B-1)Npas4が発現誘導する新たな下流遺伝子の同定:今年度は、①中大脳動脈閉塞手術後に、発現が増加する遺伝子をRNA-seq法で解析し、②虚血様負荷後に、野生型マウスの培養ニューロンで発現が増加し、Npas4欠損マウスの培養ニューロンで発現が減少する遺伝子を、RT-qPCR法で解析した。現在、③野生型マウスの培養ニューロンで候補遺伝子を過剰発現させた後に、虚血様負荷を与えた際に、細胞死を減少させる下流遺伝子を解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和4年4月から、大阪大学の北澤 茂教授のご厚意により、1年間の期限付きで、生命機能研究科ダイナミックブレインネットワーク研究室の招へい教授になり、研究スペースも確保することができた。しかしながら、令和5年度以降の受入れ先と研究スペースを探さなければならなかった。 令和5年1月にようやく、大阪大学の橋本 均教授に4月から薬学研究科神経薬理学教室の招へい教授にして頂くことになった。しかしながら、研究スペースはないとのことであったので、民間のものも含めて探した。そして、令和5年2月末にようやく、研究スペースを確保することができ、2月末から5月初めにかけて、ラボの引越しを行ったので、実験を3ヶ月程度、中止せざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
A)Npas4が発現誘導する下流遺伝子Gemの機能解析(代表:坪井、分担:高橋・森) A-1)Npas4が直接的にGem遺伝子の発現を制御しているのか?:昨年度に引き続き、Npas4が直接、Gem遺伝子の発現を調節しているのかを明らかにするために、中大脳動脈閉塞手術後の大脳皮質を摘出し、細胞核を単離してNpas4抗体を用いたChIP-seq法で解析する。そして、Gemゲノムの近傍にNpas4の結合配列であるTGA(C/G)TCAが見出されるかどうかを検討する。 A-2)構成的活性化型(constitutively active)のGem変異体を用いた解析:GemはRasファミリーの低分子量Gタンパク質であり、GTPが結合している時は‘オン’で、エフェクタータンパク質と相互作用し、下流にシグナルを伝達する。最近、Gemに関して構成的活性化型のGem-Q84V変異体が報告された(Sci Signal, 13, 2020)。今年度に作製したGem-Q84V変異体プラスミドを用いて、過剰発現させたマウス初代培養ニューロンに、虚血様負荷を与えた後の細胞死の割合を調べる。
B)Npas4が発現誘導する新たな下流遺伝子の同定と機能解析(代表:坪井、分担:高橋) B-1)Npas4が発現誘導する新たな下流遺伝子の同定:今年度は、①中大脳動脈閉塞手術後に、発現が増加する遺伝子をRNA-seq法で解析し、②虚血様負荷後に、野生型マウスの培養ニューロンで発現が増加し、Npas4欠損マウスの培養ニューロンで発現が減少する遺伝子を、RT-qPCR法で解析した。昨年度に引き続き、③野生型マウスの培養ニューロンで候補遺伝子を過剰発現させた後に、虚血様負荷を与えた際に、細胞死を減少させる下流遺伝子を同定する。
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