研究課題
基盤研究(B)
腸管上皮は、幹細胞を起点とした細胞の分化とターンオーバーの協調によって恒常性が維持されるが、損傷応答や腫瘍形成においては分化細胞が幹細胞へと脱分化する細胞可塑性を示す。一方、腸管上皮の脱分化が生理的な状況下で誘導されるのかは明らかでなく、脱分化の人為的な制御は未到達の課題である。申請者は、ショウジョウバエ腸管上皮をモデルとして、栄養環境の変動が分泌性細胞から幹細胞への脱分化を誘導する、新規の細胞可塑性を見出している。本研究では、遺伝学的解析とシングルセル解析によって、栄養依存的な脱分化を制御する分子メカニズムを明らかにし、脱分化の生理的意義を組織や個体レベルで解明する。