研究課題/領域番号 |
23K24033
|
補助金の研究課題番号 |
22H02770 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
本間 雅 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60401072)
|
研究分担者 |
苅谷 嘉顕 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 講師 (20633168)
池淵 祐樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20645725)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
採択後辞退 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
|
キーワード | シグナル伝達 / RANKL逆シグナル / 自己免疫疾患 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
RANKLは骨代謝と免疫系の交点に位置するシグナル分子であり、多彩な生理機能を発揮する。従来、RANKLと結合したRANK下流で活性化される順方向のシグナルに関してほとんどの研究が行われてきた。我々は最近、RANKLを発現する細胞内で活性化されるRANKL逆シグナル経路が、骨芽細胞において分化および骨形成の促進に寄与し、生理的には骨吸収と骨形成の共役を媒介することを見出した。本研究では、やはりRANKLを高発現するCD4+ T細胞において、RANKL逆シグナルがどのように影響を及ぼし、生体レベルの免疫応答に対してどのような作用を及ぼすのかを理解することを目指す。
|
研究実績の概要 |
RANKLは骨代謝と免疫系の交点に位置するシグナル分子であり、多彩な生理機能を発揮する。従来、RANKLと結合したRANK下流で活性化される順方向のシグナルに関してほとんどの研究が行われてきた。我々は最近、RANKLを発現する細胞内で活性化されるRANKL逆シグナル経路が、骨芽細胞において分化および骨形成の促進に寄与し、生理的には骨吸収と骨形成の共役を媒介することを見出した。一方、RANKL逆シグナル経路が免疫系において果たす役割は全く明らかになっていない。本研究では、活性化するとRANKLを高発現するCD4+T細胞に着目し、リウマチ性関節炎(RA)に焦点を絞った上で、病態形成プロセスに対するRANKL逆シグナルの影響を、生体レベルで理解することを目指す。 初年度は、C57BL/6系統のP29A変異マウスをDBA/1系統に戻し交配したコンジェニック系統を用い、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ(GPI)誘導性関節炎(GIA)を誘導し、病態の評価を行った。その結果、P29A変異マウスでは野生型マウスと比較して、関節炎の誘導が早まる傾向が認められたが、ピークにおける関節炎の重症度には顕著な差異は認められなかった。一方、研究開始当初には全く想定していなかったが、関節以外の部分において、強い炎症と組織壊死が、P29A変異マウス選択的に再現性良く観察されることが明らかとなった。次年度以降は、この現象がCD4+T細胞のどのサブセットの活性変化に紐づいて生じているのか?という視点の解析を含めて今後の検討を進める。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RANKL P29A遺伝子変異を有するコンジェニックマウス系統を使用し、GPI誘導関節炎病態に与える影響を予定通り評価できた。また、その過程で、研究当初に予定していなかった関節以外の部位における顕著な炎症応答・組織障害を見出した。
|
今後の研究の推進方策 |
GPI誘導性関節炎マウスモデルを中心とした検討を継続する。また、当初想定していなかった関節以外の部分における炎症や組織壊死の発現に関して、CD4+T細胞のどのサブセットの活性変化に紐づいて生じているのか?という視点の解析も含めて検討を進める。特に、この新たな発見に関連して、RANKL逆シグナルがどのような役割を果たしているのかを明らかにするための情報を取得するため、RANKL逆シグナルを抑制する改変抗体を、RANKL野生型のコンジェニックマウスに投与した場合に、GPI誘導性関節炎の発症、および関節以外の部位における炎症・組織壊死の発症がどのような影響を受けるか、と言う検討を実施する。この検討は、本来は3年目の実施を想定していたが、予定を変更して前倒しで本年度に行い、上記の知見を説明できるメカニズムの特定を目指して検討を進める。
|