研究課題/領域番号 |
23K24061
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補助金の研究課題番号 |
22H02799 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
渡邉 裕介 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (20562333)
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研究分担者 |
中川 修 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 非常勤研究員 (40283593)
八代 健太 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60432506)
垣花 優希 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (40910534)
橋本 大輝 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (40911342)
原田 恭弘 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (70911402)
LAMRI LYNDA 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, リサーチフェロー (90883984)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 心臓 / 形態形成 / 分化運命 / 転写制御 / 心室筋 / 前駆細胞 / 心原基 / 左心室 |
研究開始時の研究の概要 |
心臓形成の初期において、心臓前駆細胞から心室筋細胞への分化運命が決定される機構の詳細は不明である。研究代表者らが同定したHey2エンハンサーは心臓形成の最も初期において左心室筋前駆細胞で特異的な活性を示しており他に類をみない。このHey2エンハンサー活性を指標として、左心室筋細胞の発生と分化運命決定の分子機構を明らかにすることを目的とした研究を実施する。
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研究実績の概要 |
本研究では、心室筋細胞への分化運命決定および心室筋細胞特異的な遺伝子発現制御の分子機構を明らかにすることを目的としている。研究代表者らが同定したHey2エンハンサーは心原基形成期の左心室筋前駆細胞およびその後の胎仔期の心室筋細胞で特異的な転写活性を示す。本年度はこのHey2エンハンサーを利用した心原基形成期の左心室筋前駆細胞の遺伝子発現と局在の解析およびHey2エンハンサー活性化細胞とTbx5発現細胞の二重細胞系譜解析を実施した。 Hey2エンハンサー-LacZ Tgマウスの心原基形成期胚を用いてシングルセルRNA-seq解析を実施したところ、胚の細胞は遺伝子発現の特徴によって15のクラスターに分けられた。そのうち、Hey2エンハンサーは心臓細胞クラスターで活性化していた。さらに心臓クラスターを遺伝子発現の特徴によってさらに細分化したところ、Hey2エンハンサーは特定の心臓前駆細胞クラスターで活性化していることが示された。RNAscopeによる心原基形成期の全胚染色を実施したところ、シングルセルRNA-seqで得られた結果と同様に、Hey2エンハンサーは特定の心臓前駆細胞で活性化していることが示された。 また、Hey2エンハンサー-DreERT2 Tgマウス、Tbx5-CreERT2 TgマウスとDre活性およびCre活性によって蛍光レポーターが発現するマウスを導入・交配して系譜解析を開始した。妊娠マウスへのタモキシフェン投与により、心原基形成期の同一胚内でHey2エンハンサー活性化細胞とTbx5発現細胞を別々の蛍光色により標識し、その後の心臓内への寄与を観察した。その結果、心原基形成期の両細胞系譜はともに左心室筋形成に寄与していることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、Hey2エンハンサー-LacZ Tgマウスの心原基形成期胚を用いたシングルセルRNA-seq解析、RNAscopeによる遺伝子発現解析を実施し、Hey2エンハンサーが活性化している心臓前駆細胞の特徴を捉えることができた。また、Hey2エンハンサー-DreERT2 Tgマウス、Tbx5-CreERT2 TgマウスとDre活性およびCre活性によって蛍光レポーターが発現するマウスを用いて、心原基形成期のHey2エンハンサー活性化細胞とTbx5発現細胞の同一胚内での二重細胞系譜解析を開始することができた。
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今後の研究の推進方策 |
心原基形成期のHey2エンハンサー-LacZ Tgマウス胚を用いたシングルセルRNA-seq解析およびRNAscope解析をさらに進行させ、心臓前駆細胞内でのHey2エンハンサー活性化細胞群と非活性化細胞群での遺伝子発現を比較し、いずれかの細胞群で高発現している転写因子やシグナル伝達系の構成因子を抽出する。心原基形成期胚でHey2エンハンサー活性化細胞と抽出因子発現細胞の局在比較を行うことで、心臓前駆細胞内でHey2エンハンサーを活性化または抑制する候補因子を得る。 Hey2エンハンサー-DreERT2 Tgマウス、Tbx5-CreERT2マウスとDre活性およびCre活性によって蛍光レポーターが発現するマウスを用いた二重細胞系譜解析をさらに進行させ、心原基形成の早期と後期の違いによってHey2エンハンサー活性化細胞とTbx5発現細胞の左心室筋への寄与に違いが生じているかを解析し、左心室筋前駆細胞の多様性について検討する。 また、Hey2エンハンサー-CreERT2マウスとRosa-DTA(ジフテリアトキシンA)マウスを交配し、妊娠マウスにタモキシフェンを投与することで心原基形成期のHey2エンハンサー活性化細胞を除去する。その後の心臓形成における表現型を観察することで、心原基形成期のHey2エンハンサー活性化細胞の心臓形成における重要性を解析する。
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