研究課題/領域番号 |
23K24067
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補助金の研究課題番号 |
22H02805 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
村山 尚 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (10230012)
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研究分担者 |
小川 治夫 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (40292726)
呉林 なごみ 順天堂大学, 医学部, 客員准教授 (50133335)
小林 琢也 順天堂大学, 医学部, 助教 (60468585)
冨田 拓郎 (沼賀拓郎) 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (60705060)
杉原 匡美 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80648163)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | リアノジン受容体 / カルシウムチャネル / 興奮収縮連関 / 筋収縮 / カルシウムイオン / 骨格筋 / 筋小胞体 / カルシウム遊離チャネル |
研究開始時の研究の概要 |
1型リアノジン受容体(RyR1)は骨格筋筋小胞体のCa2+遊離チャネルで、筋収縮に重要な役割を持つ。RyR1はT管膜の電位センサーであるジヒドロピリジン受容体(DHPR)と相互作用し、脱分極誘発性Ca2+遊離(DICR)機構により開口する。しかし、DICR作動機構については未だ解明されていない。本研究では、申請者らが開発したDICR再構成系を用いて、DICR作動機構を分子レベルで解明する。
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研究実績の概要 |
1型リアノジン受容体(RyR1)は骨格筋筋小胞体のCa2+遊離チャネルで、筋収縮に重要な役割を持つ。RyR1はT管膜の電位センサーであるジヒドロピリジン受容体(DHPR, Cav1.1)と相互作用し、脱分極誘発性Ca2+遊離(DICR)機構により開口する。DICRはCav1.1とRyR1の相互作用により起こるが、β1a、Stac3、junctophilinも必須である。しかし、DICRの分子機構については未だ解明されていない。本研究では、申請者らが開発したDICR再構成系を用いて、DICR作動機構を分子レベルで解明するとともにDICRを特異的に促進または抑制する化合物を探索する。本年度はRyR1のDICR責任領域の探索を行った。心筋型サブタイプのRyR2はDICRを持たない。そこで、RyR1の各ドメインをRyR2に入れ換えたキメラチャネルを作製し、DICR再構成系で評価した。その結果、ドメインXをRyR2に入れ換えるとDICRが完全に消失した。RyR1はCa2+の結合によって直接開口するCa2+誘発性Ca2+遊離(CICR)活性を有するが、このキメラはCICR活性を保持していた。したがって、チャネル機能の異常ではなく、DICR作動機構の異常であることが分かった。DICR活性の選択的な消失はドメインXを欠損したRyR1でも確認された。現在、ドメインを細分化することにより、50アミノ酸程度の領域にまでの絞り込みに成功している。以上の結果から、DICRの責任領域はドメインXであることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は目標としたRyR1/RyR2キメラ作製による責任領域の絞り込みに成功した。DICR作用薬についてはスクリーニングを行っており、複数の候補化合物が得られている。RyR1とStac3/Cav1.1 II-III loopとの結合については現在、相互作用実験で結合の有無を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
ドメインXの絞り込み領域内においてRyR1とRyR2で異なるアミノ酸が複数存在する。これらのアミノ酸をRyR2に置換したRyR1変異体を作製して、DICR責任アミノ酸を同定する。DICR作用薬の探索については候補化合物を筋系細胞で評価する。RyR1-Stac3/Cav1.1 II-III loop結合実験は融合タンパクを用いて行う予定である。
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