研究課題/領域番号 |
23K24079
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補助金の研究課題番号 |
22H02817 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
依田 成玄 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (70335454)
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研究分担者 |
竹田 淳恵 京都大学, 医学研究科, 特定研究員 (20901276)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | マウスモデル / PDX / 分子標的薬 / 白血病 / 急性骨髄性白血病 / 急性赤白血病 / 急性巨核球性白血病 |
研究開始時の研究の概要 |
予後不良骨髄性腫瘍である急性赤白血病(AEL)および急性巨核球性白血病 (AMKL)は、希少がんであるために研究が進んでおらず、特異的バイオマーカーやそれを標的とした診断治療法が確立されていない。本研究は、AEL/AMKLのPDXモデルを樹立し、そのモデルを活用してAEL/AMKLの新規診断治療法の開発を行うことを目的とする。本研究では、1) 包括的なゲノム解析、2) PDXモデルを用いた創薬のスクリーニングを行い、未だ分類・特異的な治療法が十分に明らかとなっていないAEL/AMKLを対象に多角的な解析を展開し、分子病態に立脚した新分類の確立および新規治療ターゲットの発見を目指す。
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研究実績の概要 |
AEL/AMKLはモデルマウスが報告されておらず、治療法の開発が進行しない原因の1つと考えられる。この点を打開するため、AEL/AMKLの新規PDXマウスモデルを複数確立する。薬効試験は、予備実験により効果が確認されているruxolitinibを用いた単剤治療を行うとともに、臨床で使用されている化学療法剤またはアザシチジンやベネトクラクスとの併用療法も試みる。ゲノム解析などにより治療効果を予想するバイオマーカーを同定し、治療による薬剤耐性腫瘍が認められた場合は薬剤耐性のメカニズムを明らかし、さらなる治療の改善を目指す。 本年度は昨年に引き続き主に以下の研究を実施した。AEL/AMKLに罹患した患者が受診されたら検体を患者の同意のもと収集し、次世代シーケンシングにより得られたデータを包括的に解析した。解析は、申請者らが所属している京都大学大学院医学研究科腫瘍生物学講座の解析パイプラインを利用し、塩基変異、染色体異常、構造異常など包括的にかつ詳細に解析した。また、申請者らのこれまでの解析によって明らかになったAEL特異的変異遺伝子群(EPOR、JAK2など)については、特別に開発したAELパイプラインによっても解析を行った。収集した検体を用いて、免疫不全マウス(NOD/Scid IL2rgnullマウス)に移植したPDXモデルの作成をおこなっている。本研究では、2年間で、AELとAMKLをそれぞれ10検体を目標に移植し、それぞれ5モデルの新規PDXモデル樹立を目指しているが、AELについては10モデル、AMKLについては1モデルの新規PDXモデル樹立に成功している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
収集した検体を用いて、免疫不全マウス(NOD/Scid IL2rgnullマウス)に移植したPDXモデルを作成している。成体への移植に加えて、新生児顔面静脈移植やEXLマウス(ヒトサイトカインIL3/GMCSF発現マウス)など生着の確率を上げるための試みも行う予定であったが、マウスの購入費が上昇しており、昨年度も効率の良い新生児顔面静脈移植を中心にモデル作成を行った(新生児が多数生まれるため1匹当たりの単価が安い)。
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今後の研究の推進方策 |
昨年に引き続き、検体の収集とがんの遺伝子変異解析、および、PDXモデルの作成を継続する。本研究では、2年間で、AELとAMKLをそれぞれ10検体を目標に移植し、それぞれ5モデルの新規PDXモデル樹立を目指す。 本年度はさらに以下の実験も開始する。 新たに樹立したPDXモデルを用いて薬効試験を行う(in vivo実験)。試験前にはPDX細胞をさらにシーケンスし患者検体で認めた変異が再現されていることを確認する。薬効試験は、予備実験により効果が確認されているruxolitinibを用いた単剤治療および併用治療により行う。また、AEL/AMKLの標準治療である化学療法剤やTP53 変異陽性骨髄異形成症候群を対象としたアザシチジン、アポトーシスを誘導するBCL-2阻害剤ベネトクラクスとの併用療法も試みる。さらに、AELのPDXモデルを用いた薬剤試験の結果を踏まえ、治療効果を予想するバイオマーカーをRNA-seq解析により明らかにする。新規マーカーについてはそのシグナル経路を標的とした薬剤があれば同様に薬効試験を行う。
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