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非翻訳領域の伸長リピート配列の網羅的な発見に基づく神経変性疾患発症機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K24085
補助金の研究課題番号 22H02823 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分48040:医化学関連
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

辻 省次  国際医療福祉大学, ゲノム医学研究所, 教授 (70150612)

研究分担者 池内 健  新潟大学, 脳研究所, 教授 (20372469)
田中 真生  国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (30774252)
石浦 浩之  岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (40632849)
三井 純  東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (70579862)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
キーワード伸長リピート配列 / ロングリードシーケンスア / アルツハイマー病 / 神経変性疾患 / ロングリードシーケンス
研究開始時の研究の概要

本研究では,封入体形成が病理学的特徴である神経変性疾患に着目して,非翻訳領域のリピート伸長配列を探索し,発症機構を解明することを目的とする.extreme phenotypeを示す神経変性疾患症例について,long read sequencer による全ゲノムシーケンス解析を実施し,独自に開発したプログラムを用いて,遺伝子の非翻訳領域に存在する伸長リピート配列を重点的に抽出し,これらの伸長リピート配列が単独,あるいは,複数の組み合わせで,発症者において,over-representation されている伸長リピート配列の発見をめざし,神経変性疾患発症に関連する病態機序の解明を目指す.

研究実績の概要

本研究では、封入体形成が病理学的特徴である神経変性疾患に着目して、非翻訳領域の伸長リピート配列を探索し、神経変性疾患の発症機構を解明することを目的とする。この考え方は、非翻訳領域のリピート伸長配列は、Repeat Associated Non-AUG translation (RAN translation) を引き起こし、異常なアミノ酸配列を有するタンパクへの翻訳が行われ、その結果、封入体を形成するという仮説に基づいている。リピート伸長配列の検出は、short read sequencerでは困難であることから、long read sequencer による全ゲノムシーケンス解析を実施し、3-6塩基の繰り返し配列に焦点を当てて、伸長リピート配列を検出する独自に開発したプログラムを用いて、伸長リピート配列をゲノム全域から検出し、神経変性疾患の発症に関連する伸長リピート配列の発見を進めた。解析対象として、発症年齢の早いextreme phenotype を示すアルツハイマー病、家族歴を有する家族性アルツハイマー病症例を中心に7例を選択して、long read sequencer (Pacific Bioscience s 社のSequel II) を用いて、ロングリードシーケンス解析を実施した。long read sequencerは、error readを生じやすく精度が十分でないことから、circular consensus sequencing (CCS) というアルゴリズムにより、得られた全ゲノム配列データを用いた。その結果,これまでに報告のない、伸長リピート配列がさらに縦列に重複している例を見出した。本研究で開発したプログラムを用いて、伸長リピート配列の解析を進め、その疾患発症における意義の検討を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、伸長リピート配列がアルツハイマー病の発症に関与するという仮説に立ち、発症年齢の早いextreme phenotype を示すアルツハイマー病、家族歴を有する家族性アルツハイマー病症例を中心に7例を選択して、PacBio Sequel II を用いたロングリードシーケンス解析を実施した。long read sequencerは、error readを生じやすく精度が十分でないことから、circular consensus sequencing (CCS) というアルゴリズムにより、精度の改善が行われているが、伸長リピート配列のようなlow complexity sequenceに対しては、CCSアルゴリズムの有効性は限られていて、伸長リピート配列が、CCS readに取り込まれない可能性がある。この課題を克服するために、ロングリードシーケンス解析において、CCS read (HiFi read) だけでなく、CCSアルゴリズムを用いずにBAMファイルを生成することもあわせて行った。解析プログラムについては、3-6塩基の繰り返し配列に焦点を当てて、伸長リピート配列を検出するプログラムを独自に開発した。本プログラムは、検索する伸長リピートのモチーフ、リピート長の条件、さらに、伸長リピート配列中にリピート配列のinterruption を許容する条件などについて、柔軟なパラメータ設定を可能としたプログラムの開発が完了した。本プログラムを活用して、神経変性疾患の発症に関与する伸長リピート配列の網羅的な解析を進める。

今後の研究の推進方策

これまでの研究により、アルツハイマー病症例7例(早期発症例、家族性アルツハイマー病を含む)について、PacBio Sequel II を用いて、circular consensus sequencing (CCS) アルゴリズムによりHiFi read の取得、および、CCSアルゴリズムを用いないでBAMファイルの取得をあわせて完了した。伸長リピート配列の探索プログラムについては、3-6塩基の繰り返し配列に焦点を当てて、伸長リピート配列を検出するプログラムを独自に開発した。本プログラムは、検索する伸長リピートのモチーフ、探索するリピート長の条件、さらに、伸長リピート配列中にリピート配列のinterruption を許容する条件などについて、柔軟なパラメータ設定を可能としたプログラムの開発が完了した。本プログラムにより、ゲノム全域について、伸長リピート配列を強力に解析することが可能になり、これまでに報告のない、伸長リピート配列がさらに縦列に重複している例を見出している。本研究で開発したプログラムを用いて、伸長リピート配列の解析を進め、疾患発症における意義の検討を進める。これらの伸長リピート配列について、遺伝子の非翻訳領域に存在する伸長リピート配列を抽出し、中枢神経系における発現量の情報を含めてデータベース化し、アルツハイマー病症例群でどのような伸長リピートが存在するかについて、詳細な解析を進めていく。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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