膵癌の予後改善のためには、早期発見のためのバイオマーカーの新規同定とともに、1) 発癌機構の解明に基づく癌予防法の開発、2) 癌化後の適切な治療法の選択が喫緊の課題である。近年、通常の解析では解析対象から外されることの多い反復配列RNAと呼ばれる特徴的な配列を持つnon-coding RNAの癌スクリーニングへの応用法を見いだした。本研究では、ヒト膵発癌過程の早期から異常発現してくるHSTII-RNAについて、1) 癌化プロセスにおける生物学的な機能を解析するとともに、2) そのRNAの発現をマーカーとした治療選択における有用性について検討し、膵癌の予後改善に寄与することを目標としている。
|