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弾性線維の形成と再生の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K24098
補助金の研究課題番号 22H02836 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分49010:病態医化学関連
研究機関関西医科大学

研究代表者

中邨 智之  関西医科大学, 医学部, 教授 (20362527)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
キーワード細胞外マトリックス / 弾性線維 / 大動脈疾患 / 弾性繊維 / 大動脈瘤
研究開始時の研究の概要

細胞が細胞の外に作る建築物を細胞外マトリックスというが、その中でも弾性線維は伸び縮みする線維であり生体組織の伸縮性を担っている。 弾性線維を構築する「建築資材」としてエラスチンとフィブリリンというタンパク質が知られているが、これらを機能的な弾性線維として組み立てる仕組みについては未だよくわかっていない。本研究では、申請者らが弾性線維の「組み立て」に必要なタンパク質として見出したFibulin-4,5, LTBP-4の機能・作用機序、大動脈瘤発症における役割などを明らかにする。

研究実績の概要

生体組織の伸縮性は、弾性線維という細胞外マトリックスが担っている。弾性線維の分解・劣化が肺気腫、動脈中膜硬化などの老化関連疾患や皮膚のたるみなどの直接原因であるため、弾性線維の形成・維持の機構解明は高齢化社会における極めて重要な課題である。しかし弾性線維のターンオーバーは極めて遅く、その再生は困難とされている。これまで我々は弾性線維形成に必要なプロセスを研究し、それぞれのプロセスに必須のタンパク質を同定してきた。本研究では、それらの生体内での機能と動態、疾患における役割を明らかにするとともに、血中を循環する弾性線維形成タンパク質が弾性線維の形成と維持にはたらくという仮説を検証する。これまでの研究でFibulin-4が弾性線維形成に極めて重要であり、架橋酵素であるリシルオキシダーゼ(LOX)の活性化に必須であることを見いだしたことから、Fibulin-4の機能を中心に研究を進めている。昨年度に引き続き、(1)Fibulin-4によるLOX活性化機構、(2)Fibulin-4欠損による大動脈瘤発症機序の解明に取り組んだ。(1)ではFibulin-4受容体を同定するため、CRISPRライブラリーを用いたスクリーニング、蛍光ラベルFibulin-4取り込みを指標とした細胞ソーティングとRNAseq、TurboIDを用いたproximity labeling法などを試みているものの未だ同定には至っていない。(2)では平滑筋特異的Loxコンディショナルノックアウトマウスと平滑筋特異的Fbln4コンディショナルノックアウトマウスの比較により、Fibulin-4の生体内での作用がLOX活性化以外にあるのかどうかを検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Fbln4ノックアウトマウスでは体中の細胞外マトリックス形成不全により生下時死亡するため、Fibulin-4は細胞外マトリックス形成に鍵となる役割を持っている。我々はコラーゲンやエラスチンの架橋酵素であるLOXの活性化にFibulin-4が必要であることをin vitroで証明したが、生体内でFibulin-4の役割が他にあるのかどうかはわかっていない。平滑筋特異的Fbln4コンディショナルノックアウトマウスは上行大動脈瘤を来すことを以前に報告したが、その発症がLOX活性化不全だけで説明できるのかどうかはこれを検証するのによいモデルである。これまでに平滑筋特異的Loxコンディショナルノックアウトマウスの解析を平滑筋特異的Fbln4コンディショナルノックアウトマウスと比較しながら進めており、概ね研究計画通りの進行である。

今後の研究の推進方策

Fibulin-4受容体の同定に至ってはいないがproximity labeling法でいくつか候補分子は得られているので、そのvalidationを行っていく。またCRISPRライブラリーを用いたスクリーニングも改良を加えつつやり直していく予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Successful pregnancy and delivery in a young-onset hypertrophic cardiomyopathy patient with a novel doublet-base substitution in the MYH7 gene2023

    • 著者名/発表者名
      Miyawaki Norihisa、Toyota Toshiaki、Higasa Koichiro、Nakamura Tomoyuki、Furukawa Yutaka
    • 雑誌名

      Journal of Cardiology Cases

      巻: 27 号: 1 ページ: 8-11

    • DOI

      10.1016/j.jccase.2022.09.010

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Lysyl hydroxylase 2 mediated collagen post-translational modifications and functional outcomes2022

    • 著者名/発表者名
      Terajima Masahiko、Taga Yuki、Nakamura Tomoyuki、Guo Hou-Fu、Kayashima Yukako、Maeda-Smithies Nobuyo、Parag-Sharma Kshitij、Kim Jeong Seon、Amelio Antonio L.、Mizuno Kazunori、Kurie Jonathan M.、Yamauchi Mitsuo
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 12 号: 1 ページ: 372-372

    • DOI

      10.1038/s41598-022-18165-0

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 皮膚老化に伴う弾性線維再生能喪失のしくみ ー弾性線維形成因子のはたらきと加齢による発現変化ー2022

    • 著者名/発表者名
      中邨智之
    • 学会等名
      第22回日本抗加齢医学会総会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 弾性線維の形成と再生の分子メカニズム ー弾性線維形成タンパク質の役割と加齢皮膚での変化ー2022

    • 著者名/発表者名
      中邨智之
    • 学会等名
      第73回日本皮膚科学会中部支部学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ECM架橋の新たな調節機構 ー;Lysyl Oxidase活性化におけるFibulin-4の役割ー2022

    • 著者名/発表者名
      中邨智之
    • 学会等名
      第95回日本生化学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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