研究課題/領域番号 |
23K24106
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補助金の研究課題番号 |
22H02844 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2024) 東京大学 (2022-2023) |
研究代表者 |
小松 紀子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (20553358)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 骨・関節 / 自己免疫疾患 / 関節リウマチ |
研究開始時の研究の概要 |
骨は体の支持や内臓の保護、Caなどの貯蔵庫などの機能をもつだけでなく造血をはじめとして免疫系と密接に相互作用する。関節は運動機能の維持に重要であり、関節リウマチなどに代表される関節の障害は著しい生活の質の低下をもたらす。関節の恒常性維持の破綻にどのような免疫細胞が寄与するかは不明な点が多く、そのメカニズムの解明と病原性細胞を標的とした治療法の確立は喫緊の課題である。本研究では免疫細胞-間葉系細胞-骨の三者連関に焦点を当て、病原性細胞のサブセットの分化と機能を司る分子基盤を解明し新規治療法を確立することを目指す。
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研究実績の概要 |
近年、組織の恒常性維持や病態形成における間葉系細胞と免疫細胞の相互作用の意義に注目が集まっている。滑膜の炎症に伴って骨や軟骨の破壊が進行する自己免疫疾患である関節リウマチの病態解明においても免疫-間葉系-骨の3者相互作用の理解が重要であると考えられる。われわれはこれまでに滑膜線維芽細胞が破骨細胞誘導因子RANKL を発現する主要な細胞として骨破壊を誘導すること、組織破壊型の病的滑膜線維芽細胞の形成機構を明らかにしてきた。JAK阻害剤は関節リウマチの治療薬として広く使用されているが感染症をはじめとする副作用も存在するため、標的細胞の同定や作用機序の解明は病態理解や治療法の開発において重要であると考えられる。JAK阻害剤は様々な免疫細胞や滑膜線維芽細胞の活性化を抑制することが知られているが、生体内で破骨細胞と骨芽細胞のどちらに作用して骨保護作用を発揮するか不明な点が多かった。そこで今年度では主に、動物モデルを用いて関節リウマチの3つの骨破壊のタイプである、関節破壊、傍関節性骨粗鬆症、全身性骨粗鬆症において、JAK阻害剤の破骨細胞や骨芽細胞への効果を検討した。その結果、関節破壊では主に破骨細胞による骨吸収を抑制することで、傍関節性骨粗鬆症と全身性骨粗鬆症においては破骨細胞の抑制に加えて骨芽細胞による骨形成を促進することで骨保護作用を発揮することが明らかとなった。また、試験管内の検討により、多くのJAK阻害剤はIFN-gamma産生T細胞による破骨細胞分化抑制を解除したが、特定のJAK阻害剤は破骨細胞抑制が維持されたままであることが判明した。これらの結果からJAK阻害剤の効果は、微小環境や標的とするJAKやシグナル経路の特異性に依存することが示唆され、臨床所見に応じてJAK阻害剤を使い分ける必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
骨・関節の恒常性維持と破綻の機構の解明において解析が順調に進み一定の成果を得た。
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今後の研究の推進方策 |
シングルセル解析などのデータを活用しつつ引き続き骨・関節の恒常性維持と破綻の機構の解明を行う。
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