研究課題/領域番号 |
23K24112
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補助金の研究課題番号 |
22H02850 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
尾松 芳樹 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (80437277)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 造血幹細胞ニッチ / 慢性骨髄性白血病 / 線維化 / 骨髄 |
研究開始時の研究の概要 |
CXCL12高発現細網細胞(CAR細胞)は、骨髄で造血幹細胞を維持するために必須の特殊な微小環境(ニッチ)を構成する間葉系幹細胞である。造血器腫瘍、感染、炎症等によってCAR細胞は変質し造血ニッチとしての機能が低下することが明らかになってきているが、CAR細胞の変質を惹起する鍵となる刺激やシグナル経路などの分子機構のほとんどは不明である。そこで本研究では、慢性骨髄性白血病、骨髄線維症、敗血症などの疾患モデルを用いてCAR細胞の変質を惹起する主要なシグナル経路を特定し、その変質を促進または抑制する分子機構を解明する。それによりCAR細胞の変質を制御可能とすることを目指す。
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研究実績の概要 |
CXCL12高発現細網細胞(CAR細胞)は、骨髄で造血幹細胞を維持するために必須の特殊な微小環境(ニッチ)を構成する間葉系幹細胞である。造血器腫瘍、感染、炎症等によってCAR細胞は変質し造血ニッチとしての機能が低下することが明らかになってきているが、CAR細胞の変質を惹起する鍵となる刺激やシグナル経路などの分子機構のほとんどは不明である。そこで本研究では、慢性骨髄性白血病、骨髄線維症、敗血症などの疾患モデルを用いてCAR細胞の変質を惹起する主要なシグナル経路を特定し、その変質を促進または抑制する分子機構の解明を目的として研究を行なった。 これまでの研究により、CAR細胞の形成と機能に必須の転写因子としてFoxc1とEbf3/1が明らかになっていた。さらに近年、CAR細胞で高発現する転写因子Runx1とRunx2が骨髄の線維化を抑制し、造血幹細胞ニッチの維持に必須の役割を持つことが示された。一方、様々な疾患においてCXCL12の低下が認められる。CXCL12の低下が及ぼす造血への影響を明らかにするため、CAR細胞特異的にCXCL12を欠損したマウスの造血幹細胞の骨髄での動態を解析した。その結果、CAR細胞が産生するCXCL12が骨髄内で造血幹細胞を誘引し、造血幹細胞、特に免疫細胞をより多く産生する造血幹細胞の維持に必須の役割を果たすことを明らかにした。 さらに骨髄増殖性疾患等の疾患モデルマウスを用いてCAR細胞の遺伝子発現の変化や繊維化などを経時的に解析した結果、CAR細胞の変質に伴って発現が上昇する機能不明の転写因子様の遺伝子を複数同定した。これらの遺伝子のCAR細胞の変質における役割を検討するため、遺伝子改変マウスが作製された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究により、CAR細胞の形成と機能に必須の転写因子としてFoxc1、Ebf3/1に加えてRunx1/2が明らかになった。CAR細胞においてRunx1とRunx2は線維化を抑制し、造血幹細胞ニッチの維持に必須の役割を持つことが示された。 一方慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病(AML)、原発性骨髄線維症(PMF)などの骨髄増殖性疾患のモデルマウスやLPS投与による敗血症モデル等の疾患モデルマウスを用いてCAR細胞の遺伝子発現の変化や繊維化などを経時的に解析した。その結果、CAR細胞の変容の程度や経時変化パターンは疾患モデルによって異なるものの、共通して認められる遺伝子発現変化があることが明らかになった。 CAR細胞はTNFやIL-1βなどの炎症性サイトカイン受容体や、PDGF、BMP、FGFなどの成長因子の受容体を発現している。これらの受容体を介したシグナルがCAR細胞を変質させるか否かを明らかにするため、これらの遺伝子のCAR細胞特異的欠損マウスを入手または作製した。これらを用いてまずはそれぞれのリガンドを静脈投与した際のCAR細胞の遺伝子変化を解析し、CAR細胞を変容させる直接効果について検証を進行している。 さらに、CAR細胞の変質に伴って発現が上昇する機能不明の転写因子様の遺伝子が複数同定された。これらの遺伝子のCAR細胞の変質における役割を検討するため、遺伝子改変マウスを作製した。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、CAR細胞の変質の分子機構のため種々の疾患モデルを用いて解析を行う。 これまでの研究によって明らかになったCAR細胞に発現する様々な炎症性サイトカイン遺伝子や、変質に関与する可能性のある機能不明遺伝子について、CAR細胞特異的欠損マウスを作製した。これらの遺伝子改変マウスを用いて、疾患モデルマウスを解析すること等により、CAR細胞の変質における主要なシグナル経路を特定し、その変質を促進または抑制する分子機構を明らかにする。 また疾患モデルにおける骨髄細胞の、シングルセルレベルでの遺伝子発現解析を行い、CAR細胞の変質を引き起こす主要な細胞集団を明らかにする。
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