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隠れドライバーから見た、難治性リンパ性白血病の成立・維持機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K24118
補助金の研究課題番号 22H02856 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分49030:実験病理学関連
研究機関愛知医科大学

研究代表者

都築 忍  愛知医科大学, 医学部, 教授 (00342965)

研究分担者 安田 貴彦  独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, 分子診断研究室長 (20723977)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
キーワードドライバー遺伝子 / hidden driver / regulon / 白血病 / 急性リンパ性 / ドライバー
研究開始時の研究の概要

急性リンパ性白血病は、小児がんでは最多の病気です。成人でも一般に治りにくいことが知られています。近年の遺伝子解析技術の進歩により、種々の遺伝子変異が発見され、この遺伝子変異が白血病の原因であると想定されています。しかし、こうした遺伝子変異を治療標的にできる薬剤は少なく、もしあったとしても治療効果が小さい場合も多いことが知られています。遺伝子変異の無い遺伝子にも目を向け、治療標的となるものを探す必要があります。本研究では、急性Bリンパ芽球性白血病を対象に、そうした遺伝子を探索し、治療法の開発に役立てます。

研究実績の概要

近年の遺伝子解析技術の進歩により、遺伝子変異を有するドライバー遺伝子が数多く同定されてきた。しかし、そのドライバー遺伝子の機能阻害が容易でない場合、また単独阻害では治療効果が不十分な場合も多い。
本研究では、ドライバー経路と併存する第2の経路が、治療標的となる可能性を探究する。この第2の経路は、遺伝子変異を伴わないので、異常が見えにくい、つまり隠れたドライバーにより成立する。
具体的には、急性Bリンパ芽球性白血病(B-ALL)を対象として、その成立・維持の機構をregulonの面から見直す。遺伝子発現に影響を与える転写因子・シグナル分子をregulatorとした場合、このregulatorとその下流で影響を受ける遺伝子群のセットがregulonである。B-ALLには23種類のサブタイプがあり、サブタイプごとにregulatorとそのregulon活性は大きく異なる。本年度は、予後不良なサブタイプに特徴的に高活性で、かつ治療標的としての可能性があるregulatorを抽出した。
最初に、① 本邦約300例、欧米約1000例のB-ALLの遺伝子発現データから、システムバイオロジー的アプローチにより、病型特異的なregulonとregulatorを同定した。次に、② その中から、予後不良病型に特異的で、疾患の成立に必須のregulatorを、細胞株を利用したCrisprスクリーニングによって絞り込んだ。このregulatorを抑制する薬剤の効果も検証中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本邦急性Bリンパ性白血病(B-ALL)約300例、European Genome-Phenome Archiveから海外約1100例分のB-ALLの遺伝子発現データを取得して、regulonおよびそのregulator活性を算出し、B-ALLの各病型に特徴的に高活性のregulatorを抽出した。
次に対象を予後不良病型に絞り、予後不良B-ALLで特徴的に活性の高いregulonsおよびregulatorsを抽出した。
次に、予後不良B-ALLについて、細胞株を用いて、抽出したregulatorsの機能を抑制可能な薬剤を選別し、種々のサブタイプのB-ALL細胞株にアプライして増殖抑制活性を検討し、選択性の高い薬剤を見出すことができた。
さらに、網羅的に治療標的となるregulatorを見出すために、予後不良B-ALLを対象に、細胞株を用いた、Crisprスクリーニングを実施し、その候補を抽出した。

今後の研究の推進方策

抽出したregulonsとregulatorsの中から、予後不良B-ALLの成立・維持に重要なものを網羅的、機能的に絞り込む作業を継続する。Crisprスクリーニングと薬剤スクリーニングを併用して行う。
B-ALLには、主に遺伝子転座のタイプにもとづいて20数種のサブタイプがあるので、各サブタイプごとに異なるregulatorsと隠れたドライバーがあることが想定される。さらに、各サブタイプには、ドライバー遺伝子の種類によって、有効性が想定されていながら単剤では有効性が低い薬剤が知られている。薬剤によってドライバーの機能を阻害した場合に、隠れたドライバーの機能をさらに阻害することで、治療効果が増強することが想定されるので、この点からもスクリーニングと検証を行う。
In vitroで効果が見られたものについて、B-ALLマウスモデルを用いて、in vivoでregulator活性の抑制の治療効果を検証する。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] BCL6 inhibition ameliorates resistance to ruxolitinib in <i>CRLF2</i>-rearranged acute lymphoblastic leukemia2022

    • 著者名/発表者名
      Tsuzuki Shinobu、Yasuda Takahiko、Goto Hiroaki、Maeda Naoko、Akahane Koshi、Inukai Takeshi、Yamamoto Hideyuki、Karnan Sivasundaram、Ota Akinobu、Hyodo Toshinori、Konishi Hiroyuki、Hosokawa Yoshitaka、Kiyoi Hitoshi、Hayakawa Fumihiko
    • 雑誌名

      Haematologica

      巻: 108 号: 2 ページ: 394-408

    • DOI

      10.3324/haematol.2022.280879

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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