研究課題/領域番号 |
23K24121
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補助金の研究課題番号 |
22H02859 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
石野 智子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40402680)
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研究分担者 |
橘 真由美 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 助教 (00301325)
新澤 直明 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (10583015)
長岡 ひかる 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, プロジェクト講師 (10757222)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | マラリア / スポロゾイト / 相互作用タンパク質 / 相互作用タンパク質探索 |
研究開始時の研究の概要 |
マラリア原虫は蚊によって媒介され、ヒト体内では最初に肝細胞に寄生し数万倍に増殖する。ヒトへの感染成立ステップであるスポロゾイトの肝細胞寄生の分子基盤の解明のために、host-parasite 相互作用の観点から「スポロゾイトが肝細胞特異的に感染する機構」を明らかにすることを目的とし、感染に関わる5種類の原虫タンパク質と近接する肝細胞側の分子を、改良型 BioID を用いて網羅的に探索する。
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研究実績の概要 |
ヒトへの感染成立ステップであるスポロゾイトの肝細胞寄生の分子基盤の解明のために、これまで感染に関わる原虫の分泌型タンパク質の同定と機能解析を実施してきた。さらにhost-parasite 相互作用の観点から「スポロゾイトが肝細胞特異的に感染する機構」を明らかにすることを目的とし、感染に重要なスポロゾイトタンパク質とin situで近接する肝細胞側の分子を網羅的に探索する。得られた宿主分子の発現抑制を行うことで、スポロゾイト感染における役割を解析し、包括的な感染成立メカニズムの解明へと繋げる。 本研究では、スポロゾイトの肝細胞認識、侵入に関わる分子及び、寄生胞膜上で原虫発育に関わる分子と相互作用する宿主細胞側分子をAirID法で同定する。その宿主細胞分子のスポロゾイト感染における役割を解明することで、host-parasite相互作用の観点からの感染機構の解明を目指す。 本年度は、上記分子のうち、侵入に関わる分子Rhoptry neck protein 4 (RON4)、寄生胞膜上で発育に関わる分子、upregulated in salivary gland sporozoite 4 (UIS4), liver stage specific protein 1 (LISP1)にAIrIDタグを融合させた遺伝子改変ネズミマラリア原虫を作出した。このうちRON4-AirID原虫については、赤血球ステージでも標的分子が発現するので、まずは赤血球感染ステージを用いて、ビオチン化タンパク質のスクリーニング法を確立し、質量分析解析により、既知の相互作用分子に加えて、これまで知られていない分子が相互作用することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3種類のAIrIDタグ融合遺伝子改変原虫の作出に成功した。RON4とLISP1については、タグ融合による感染効率における影響は小さいことから、相互作用タンパク質の解析へと進むことができる。また、UIS4については、in vivoで感染効率が減少するものの、in vitroでは目立った影響がないことから、in vitroにおいて解析を継続する。 材料が得られやすい赤血球感染ステージにおいて、RON4-AIrID原虫を用いて、ビオチン化された相互作用分子の検出方法を確立できた。得られた新規候補分子が実際にRON4と生体内で相互作用するか確認するとともに、同様の方法で、スポロゾイトタンパク質と肝細胞の相互作用タンパク質同定へと予定通り進めることができる。
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今後の研究の推進方策 |
赤血球感染ステージ(メロゾイト)でRON4と相互作用する候補分子が実際に生体内で相互作用するのか、近位ライゲーションアッセイ法により確認する。新規結合タンパク質が見出されたら、さらに遺伝子発現抑制原虫を作出し、その感染における役割を解析する。肝細胞感染ステージに発現する分子群については、遺伝子改変原虫(UIS4-AIrID, LISP1-AIrID)を蚊に感染させ、唾液腺からスポロゾイトを回収した後、肝由来培養細胞に添加、6-24時間培養し、特異的にビオチン化されるタンパク質を検出/同定する。ビオチン化の効率が不十分であれば、TurboIDやUltraIDへと変更する。 加えて、他の侵入や発育関連原虫分子にBioID関連タグを融合させた遺伝子改変原虫を作出する。
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