研究課題/領域番号 |
23K24123
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補助金の研究課題番号 |
22H02861 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
金子 修 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (50325370)
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研究分担者 |
宮崎 幸子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (60882420)
成瀬 妙子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (80422476)
馬場 みなみ 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (00814906)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | マラリア / 病原性原虫 / 赤血球 / 細胞侵入 / シグナル伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、赤血球侵入期に発現する一群の原虫分子を誘導的にノックアウトできる組換えネズミマラリア原虫を作製し、阻害される放出~侵入ステップ、分子分泌の有無とタイミング、細胞内Ca2+濃度の変化、タンパク質リン酸化等を指標に、ワクチン開発の標的でもある種々の分子の分泌シグナルへの関与、および、分泌シグナル伝達経路に関与する分子を同定することを計画する。
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研究実績の概要 |
マラリア原虫はヒト体内では赤血球内発育で増殖する。赤血球から放出されたメロゾイト期原虫は、細胞内小器官から種々の分子を秩序だって分泌しながら新たな赤血球に接着、赤血球を変形しながら密着接合を形成し、赤血球内に新たに形成する寄生胞内へ移動といった一連の赤血球侵入過程を進める。このマラリア原虫の分子分泌に関するシグナル伝達経路のモデルは、近縁のトキソプラズマ原虫での知見を基とするものが多いが、マラリア原虫に固有の分子も存在し不明確な点が多い。そこで、本研究ではワクチン開発の標的でもある種々の分子の分泌シグナルへの関与、および、分泌シグナル伝達経路に関与する分子を同定することで、ワクチンや薬剤の開発に資することを目的とする。 本年度はPlasmodium yoelii メロゾイトの4つのマイクロネーム分子に対する抗体をマウスとウサギを用いて作製した。また、いくつかのPHドメインを有する分子について、条件下ノックアウト原虫を作出し、表現型が全く見られない分子や、ラパマイシン投与下で増殖率が著しく減少する分子PH1を見出した。分子分泌に対する影響は、同じくPHドメインを有するAPHやPH2と呼ばれる分子をノックアウトした際に見られるパターンとは異なっており、PH1は、これらとは異なる分子分泌経路に関与していることが示唆された。また、EBLの第6領域のCys残基の置換が細胞内分子輸送と病原性に与える影響について発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画の通り、4種の分子に対する抗体を作製することができた。DiCreを発現する組換えP. yoelii 原虫をベースに複数分子を標的とした遺伝子改変原虫を作製し、表現型解析を開始することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
作製した抗体について、間接蛍光抗体法とウェスタンブロット法によりタンパク質への反応性とタンパク質の発現解析を行う。表現型の見られたPH1の条件下ノックアウト原虫について、詳細な解析を進める。赤血球侵入関連分子を標的とする条件下ノックアウト原虫を引き続き作製し、解析を進める。
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