研究課題/領域番号 |
23K24139
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補助金の研究課題番号 |
22H02877 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
本園 千尋 熊本大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, 准教授 (10642910)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | T細胞 / 抗原認識 / SARS-CoV-2 / 交差反応性 / ワクチン / 免疫逃避 |
研究開始時の研究の概要 |
今年度は、配列が保存されているT細胞エピトープに対するT細胞応答の解析に加えて、In vitro priming法を用いて変異株に対して認識可能なT細胞サブセットの同定を行う。これにより、T細胞の変異株に対するT細胞受容体の交差反応性を明らかにする。さらに、HLAトランスジェニックマウスを用いて、野生型ならびに改変型ペプチドでペプチド免疫し、それらの抗原ペプチドに応答するT細胞の交差反応性ならびに抗ウイルス機能について解明する。
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研究実績の概要 |
ヒトT細胞は、多様なT細胞受容体レパートリー、ならびに、広範な交差反応性を兼ね備えていながら、どうしてウイルスに逃避を許してしまうのか、ヒトT細胞の交差反応性とウイルスによる免疫逃避機構は依然として不明な点が多い。そこで、本研究では、ヒトT細胞に備わっている交差反応性を明らかにする一環として、ウイルス変異に対する交差反応性に関わる分子認識機構と優れた抗ウイルス機能との関連を明らかにする。これにより、ヒトT細胞のウイルス変異認識予測法やヒトT細胞の交差反応性をベースとした新興・再興感染症における制御法の開発に向けた 分子基盤の創成を目指す。今年度はヒトT細胞の交差反応性プロファイルの解明の一環として、HLAタイピング済みのワクチン接種後のヒト検体(末梢血単核球)を用いて新型コロナウイルスのspikeタンパク質に対する応答性について解析を行った。IFN-g ELISPOT法を用いて新型コロナウイルスのspikeタンパク質由来のオーバーラップペプチドに対する応答性について大規模な解析を行った (n=102)。その結果、ワクチン接種者において、スパイクタンパク質の広範な領域に応答性を維持していることが明らかになった。さらにT細胞の反応性が高かった領域について、日本人に高頻度なHLA (HLA-A24、HLA-A2, HLA-A11)について各HLAごとに絞り込みを行い、免疫原性の高い抗原エピトープを同定することが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
100人規模での日本人ワクチン接種者の末梢血単核球を用いたSARS-CoV-2スパイクタンパク質由来のオーバーラップペプチドに対する応答の解析によって、T細胞のスパイクタンパク質に対する応答性の全体像を明らかにすることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
抗原特異的T細胞応答に着目し、ヒトT細胞の抗原変異に対する認識能評価、ウイルス感染細胞に対する抗ウイルス活性評価、ならびにIn vitro プライミング法によるウイルス変異を認識可能な機能的ヒトT細胞の誘導を行う。
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