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免疫系を維持、調節する微小環境(ニッチ)の形成と機能の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K24152
補助金の研究課題番号 22H02890 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分49070:免疫学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

長澤 丘司  大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (80281690)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
キーワードニッチ / 骨髄 / 造血幹細胞 / 線維芽細胞 / 免疫記憶細胞
研究開始時の研究の概要

継続課題のため、記入しない。

研究実績の概要

研究代表者は、これまでCXCL12を高発現する細網細胞 (CAR細胞)が骨髄での造血幹細胞の維持と免疫細胞の産生に必須の微小環境(ニッチ)を構成するニッチ細胞として働く骨髄特異的線維芽細胞であることを明らかにした。また、二次リンパ組織には、B細胞が抗原と反応して分化する形質細胞を維持するニッチ細胞が存在する。
[ 1 ] CAR細胞の起源細胞の同定。マウス成体の骨格筋、腸管の未分化な線維芽細胞を、マトリゲルと共に皮下に移植したところ骨髄とCAR細胞が形成された。
[ 2 ] CAR細胞が構成する造血幹細胞・免疫細胞ニッチが形成・維持される分子機構の解明。(2-1)CAR細胞特異的に発現する転写因子C/EBPαに注目し、CAR細胞で欠損するマウスを作製し、解析を進めた。
(2-2)骨格筋の未分化線維芽細胞を骨髄内に注入すると一部がCAR細胞に分化した。
(2-3)米国のグループよりCAR細胞の70%でCXCL12を欠損させても造血幹細胞数は正常であったため、CAR細胞が産生するCXCL12は造血幹細胞の維持に必須でないことが報告されていたが、全てのCAR細胞でCXCL12を欠損させると、造血幹細胞数が著減し、リンパ球産生能が低下していたことからCAR細胞が産生するCXCL12は、造血幹細胞、特にリンパ球を十分産生する幹細胞の維持に必須であることが明らかになった。
[ 3 ]脾臓の赤脾髄には造血幹細胞、形質細胞、赤脾髄マクロファージを維持する線維芽細胞が存在し、その形成に必須で特異的に発現する転写因子が明らかになっている。そこで、この赤脾髄線維芽細胞の機能と形成・維持機構を解明するため、発現するサイトカイン受容体を検索した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまで長年、線維芽細胞は、様々な実質細胞の間の空間を埋める細胞外蛋白質を産生する細胞群であると考えられ、その機能や細胞系列としての理解や研究の進展は十分でなかった。しかし、近年、骨髄で造血幹細胞や免疫細胞を維持する骨髄特異的線維芽細胞であるCAR細胞や、脾臓で造血幹細胞、形質細胞、赤脾髄マクロファージを維持する赤脾髄線維芽細胞、腸管で腸管上皮幹細胞を維持するFoxl1テロサイトが同定され、線維芽細胞の新しい重要な機能と細胞系列としての特性が明らかになった。2021年、これらを基盤に、様々な臓器特異的線維芽細胞が、様々な組織に存在する普遍的線維芽細胞から分化する可能性が推測され、線維芽細胞の研究は新しい局面を迎え、大きく発展しようとしている。研究代表者らの研究成果は、この流れを先導する可能性を持っている。

今後の研究の推進方策

[ 1 ] CAR細胞の起源細胞の同定。マウスの胎児の四肢や成体の骨格筋等、骨や骨髄以外の未分化な線維芽細胞を、CXCL12と線維芽細胞表面マーカーの発現を指標に亜分画に分け、皮下や成体の骨髄内に移植してCAR細胞への分化能を検討し、CAR細胞の起源細胞分画を探索する。
[ 2 ] CAR細胞が形成・維持される分子機構の解明。
(2-1)CAR細胞で特異的に高発現する転写因子C/EBPαに注目し、四肢の線維芽細胞やCAR細胞で欠損するマウスの解析を進め、CAR細胞の形成、維持における役割を解析する。
(2-2)骨格筋の未分化線維芽細胞を骨髄内に注入するとCAR細胞に分化したことから、骨髄内にCAR細胞の分化・維持因子が存在することが示唆されたため、これを同定する目的で骨髄特異的に発現する細胞外蛋白質を検索する。
[ 3 ]脾臓で造血幹細胞、形質細胞、赤脾髄マクロファージを維持する赤脾髄線維の形成、維持機構の解明。他の研究グループが脾臓の赤脾髄線維芽細胞の形成に必須の転写因子を複数同定したので、赤脾髄線維芽細胞で発現するサイトカイン受容体を検索し、その役割を解明するために赤脾髄線維芽細胞特異的に欠損するマウスを作製する。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Acute malaria suppresses the B lymphocytic niche in the bone marrow through the alteration of CXCL12-abundant reticular cells2024

    • 著者名/発表者名
      Lee Michelle Sue Jann、Matsuo Dapaah Julia、Del Rosario Zorrilla Camila、Omatsu Yoshiki、Nagasawa Takashi、Uemura Shun、Iwama Atsushi、Ishii Ken J、Coban Cevayir
    • 雑誌名

      International Immunology

      巻: 36 号: 7 ページ: 1-1

    • DOI

      10.1093/intimm/dxae012

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Ebf3+ niche-derived CXCL12 is required for the localization and maintenance of hematopoietic stem cells2023

    • 著者名/発表者名
      Nakatani Taichi、Sugiyama Tatsuki、Omatsu Yoshiki、Watanabe Hitomi、Kondoh Gen、Nagasawa Takashi
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 14 号: 1 ページ: 6402-6402

    • DOI

      10.1038/s41467-023-42047-2

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Hematopoietic cell-derived IL-15 supports NK cell development in scattered and clustered localization within the bone marrow2023

    • 著者名/発表者名
      Abe Shinya、Asahi Takuma、Hara Takahiro、Cui Guangwei、Shimba Akihiro、Tani-ichi Shizue、Yamada Kohei、Miyazaki Kazuko、Miyachi Hitoshi、Kitano Satsuki、Nakamura Naotoshi、Kikuta Junichi、Vandenbon Alexis、Miyazaki Masaki、Yamada Ryo、Ohteki Toshiaki、Ishii Masaru、Sexl Veronika、Nagasawa Takashi、Ikuta Koichi
    • 雑誌名

      Cell Reports

      巻: 42 号: 9 ページ: 113127-113127

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2023.113127

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Runx1 and Runx2 inhibit fibrotic conversion of cellular niches for hematopoietic stem cells2022

    • 著者名/発表者名
      Omatsu Yoshiki、Aiba Shota、Maeta Tomonori、Higaki Kei、Aoki Kazunari、Watanabe Hitomi、Kondoh Gen、Nishimura Riko、Takeda Shu、Chung Ung-il、Nagasawa Takashi
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 13 号: 1 ページ: 2654-2654

    • DOI

      10.1038/s41467-022-30266-y

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Bone marrow specific fibroblasts creating microenvironmental niches for hematopoietic stem cells and lympho-hematopoiesis2023

    • 著者名/発表者名
      長澤 丘司
    • 学会等名
      The 32nd Hot Spring Harbor International Symposium
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 骨髄の造血幹細胞ニッチと骨髄の間葉系幹細胞2022

    • 著者名/発表者名
      長澤 丘司
    • 学会等名
      第40回日本骨代謝学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 造血幹細胞と造血、骨を維持する骨髄微小環境(ニッチ)の解明2022

    • 著者名/発表者名
      長澤 丘司
    • 学会等名
      第47回 日本骨髄腫学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Microenvironmental niches for hematopoietic stem cells and hematopoiesis in the bone marrow2022

    • 著者名/発表者名
      長澤 丘司
    • 学会等名
      RIKEN BDR Stem Cell Seminar Series
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 招待講演
  • [産業財産権] Ly-HSCの培養方法、Ly-HSC組成物及びその製造方法、並びに、Ly-HSCを培養するための培地及びキット2023

    • 発明者名
      長澤 丘司
    • 権利者名
      長澤 丘司
    • 産業財産権種類
      特許
    • 出願年月日
      2023
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 外国

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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