研究課題/領域番号 |
23K24176
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補助金の研究課題番号 |
22H02915 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
熊谷 泉 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 客員教授 (10161689)
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研究分担者 |
田中 良和 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (20374225)
眞壁 幸樹 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (20508072)
浅野 竜太郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80323103)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 二重特異性抗体 / クライオ電顕構造解析 / 構造モデリング |
研究開始時の研究の概要 |
異なる2種の抗体を繋げると、2分子間を架橋可能な二重特異性抗体が作製される。これまでに、超高活性のLH型と低活性のHL型が存在することを見出している。本研究では、LH型とHL型を含む種々の活性の異なる二重特異性抗体を用いた両標的抗原との三者複合体のクライオ電顕構造解析により、強力ながん細胞傷害活性をもたらし得る両標的抗原の空間配置を解明後、得られた空間配置を基に高活性の二重特異性抗体の構造デザインを目指す。
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研究実績の概要 |
異なる2種の抗体の抗原結合ドメインを繋げると、2分子間を架橋可能な二重特異性抗体が作製される。これまでの二重特異性抗体の網羅的な改変体の開発を通して、超高活性のLH型と低活性のHL型が存在することを見出している。本研究は、まずLH型とHL型を含む種々の活性の異なる二重特異性抗体を用いた両標的抗原との三者複合体のクライオ電顕構造解析により、強力ながん細胞傷害活性をもたらし得る両標的抗原の空間配置を解明し、さらに、得られた空間配置を基に高活性の二重特異性抗体の効率的な創製プラットフォームの開発を目指している。 本年度も、クライオ電顕構造解析による二重特異性抗体と両標的抗原の至適な空間配置の解明、を主に目指した。前年度までに、二重特異性抗体と両標的抗原の3者複合体の調製法を確立し、ネガティブ染色電顕での観察、およびクライオ電顕のデータセットの収集を行ったが、原子レベルの構造決定には到らなかった。そこで、引き続き条件検討を行うと共に、二重特異性抗体を構成する各々の抗体の抗原結合部位と対応する標的抗原との複合体の解析も並行して進め、クライオ電顕単粒子解析により得られた像の構造決定の一助とした。また、構造多型分類プログラムを駆使し、ドメインの構造変化も加味した構造情報を取得し、解析を進めた結果、LH型とHL型の構造の違いを明確に示す3者複合体の3次元構造を得ることに成功した。今後さらなる精密解析により、強力ながん細胞傷害活性をもたらし得る両標的抗原の空間配置の解明につながることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
条件検討等により、高活性のLH型と低活性のHL型二重特異性抗体の構造の違いを明確に示す3者複合体の3次元構造を得ることに成功した。今後さらなる精密解析により、強力ながん細胞傷害活性をもたらし得る両標的抗原の空間配置の解明につながることが期待されるが、得られた情報に基づく高活性の二重特異性抗体のデザインにはまだ至っていない。 以上、研究の進捗を総合的に判断し、おおむね順調に進展している、とした。
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今後の研究の推進方策 |
さらなる精密解析により、強力ながん細胞傷害活性をもたらし得る二重特異性抗体と両標的抗原の空間配置の解明を目指す。並行して、本成果を原著論文とし纏める。至適な空間配置の解明に目途がつき次第、得られた情報に基づく高活性の二重特異性抗体のデザインに向けて、他の抗体の抗原結合部位を組み合わせた二重特異性抗体の網羅的な調製に着手する予定である。
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