研究課題/領域番号 |
23K24181
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補助金の研究課題番号 |
22H02920 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 京都大学 (2024) 大阪大学 (2022-2023) |
研究代表者 |
田中 淳 京都大学, 医生物学研究所, 特定研究員 (00724105)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2026年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 制御性T細胞 / がん免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
がんに対する免疫応答を妨げる要因として、免疫抑制に特化した制御性T細胞の重要性が明らかになってきた。制御性T細胞は、多様ながん組織に浸潤し免疫を抑制するため、がんの予後不良との相関が知られている。本研究では、制御性T細胞によるがん免疫応答制御の分子的基礎を明らかにし、がんに浸潤する制御性T細胞を標的としたがん免疫療法・予防法の研究開発を進める。
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研究実績の概要 |
免疫応答の抑制的制御に特化した細胞である制御性T細胞(Regulatory T cell, 以下Tregと略)は、多くの腫瘍組織に大量に浸潤しがん免疫応答を抑制する。本研究では、腫瘍に浸潤するTreg細胞を選択的に除去し、免疫抑制を解除することで、どのようにがん微小環境の免疫応答を変化させ腫瘍に対する免疫応答を増強するかについて、その分子的基礎を明らかにし免疫動態機序に基づいたがん免疫療法の開発を目的としている。その理解は、既存のがん免疫療法や全身性のTreg除去の副作用である自己免疫病を回避し、安全で効果的ながん治療法および予防法の開発に重要と考えられる。本年度は、腫瘍に浸潤するTregの除去が誘導するがん免疫応答の動態およびその免疫機序について、がん抗原特異的T細胞の変化を中心とした解析を行なった。特に、腫瘍Treg除去後のがん免疫応答および同一腫瘍の再発モデルにおけるがん免疫応答について、T細胞活性化マーカー誘導や抗原特異的T細胞を指標に、T細胞サブセットの被抑制状態から活性状態への変化など、がん免疫応答の動態を経時的に解析した。また、ここでは複数の免疫原性が異なった担がんマウスモデルを用いてがん免疫応答の動態解析を実施した。さらに、Tregを選択的に減弱する経口低分子阻害剤の投与による腫瘍浸潤細胞群について、分子発現レベルでの変化についても解析を行い、がん免疫応答の動態および抗原特異的T細胞の増減について有用な結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究目的の達成に向けて、腫瘍Tregの除去が誘導するがん免疫応答の動態およびその免疫機序について、抗原特異的T細胞の変化を中心とした解析を進め、多くの有用な結果を得た。今後の研究に用いる実験等の準備状況にも問題ないことから、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究として、腫瘍Treg除去が誘導するがん免疫応答について、長期におけるがん免疫応答賦活に効果的な経口低分子阻害剤等のTreg減弱薬の投与レジメンを検討する。特に、Treg減弱薬投与後に誘導されるCD8+T細胞の機能変化について、がん抗原特異的なCD8+T細胞クローンの増減やサイトカイン産生を解析し、異なるレジメンにおけるCD8+T細胞機能の評価を進める計画である。
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