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2型TNF受容体を介する免疫制御機構の解明とがん免疫療法への応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K24190
補助金の研究課題番号 22H02929 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
研究機関神戸学院大学

研究代表者

角田 慎一  神戸学院大学, 薬学部, 教授 (90357533)

研究分担者 井上 雅己  神戸学院大学, 薬学部, 助教 (80757097)
永田 諭志  国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, プロジェクトリーダー (40246682)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
キーワードTNFR2 / Treg / MDSC / 腫瘍免疫
研究開始時の研究の概要

制御性T細胞(Treg)や骨髄由来抑制細胞(MDSC)は、腫瘍免疫抑制に重要な役割を担っていると考えられており、それらを適切に制御できれば、がん免疫療法を大きく進展させうる。最近、Tregに2型TNF受容体(TNFR2)が発現し、その増殖や機能に関与すること、また、TNFR2は、MDSCにおいても高発現することが明らかになっていることから、これら細胞による腫瘍免疫の調節にTNFR2が関与していることが示唆される。そこで本研究では、Treg、MDSCにおけるTNFR2シグナルの役割や腫瘍免疫との連関を明確化し、新たながん免疫治療薬の可能性を探る。

研究実績の概要

本研究では、Treg及びMDSCの機能におけるTNFR2シグナルの意義、役割を明確化することを主たる目的とし、がん免疫療法の至適化に資する標的としてTNFR2シグナルの有用性を確かめる。2023年度の研究では以下の成果を得た。
① Treg/MDSCにおけるTNFR2シグナルのin vitro機能解析 2022年度の研究において、TNFR2-KOマウス由来のCD11b+/Gr-1+ MDSCは、WTマウス由来のMDSCに比べてin vitroでのT細胞抑制活性が低下しており、MDSCの機能にTNFR2が関わることを示唆する結果を得た。そこで2023年度は、MDSCの免疫抑制機能低下のメカニズム解析を試みた。MDSCによるT細胞抑制には、MDSCによるNO産生が関与すること知られているが、TNFR2-KOマウス由来のMDSCでは、NO合成酵素(iNOS)の誘導がWTマウス由来MDSCに比べて抑制されていることが判明した。本結果から、MDSCにおけるTNFR2シグナルの役割の一つとして、iNOSの誘導によるT細胞の機能抑制に関わることが示された。
② Treg/MDSCにおけるTNFR2シグナルのin vivo機能解析 2022年度の研究において、TNFR2-KOマウスに移植したB16メラノーマの腫瘍生着・増殖が、WTマウスの場合と比べて有意に抑制されたことから、in vivoでの腫瘍免疫の抑制にTNFR2シグナルが関与することを示唆する結果を得た。そこで2023年度は、本知見をさらに明確化するため、異なる腫瘍細胞株としてMC-38大腸がんの移植で検討した。その結果、TNFR2-KOマウスにおいてMC-38腫瘍の生着・増殖が有意に抑制されたことから、メカニズムは未解明であるがin vivoでの腫瘍免疫の抑制にTNFR2シグナルが関与することが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

TNFR2及びそのシグナルのTreg/MDSCにおける機能を明らかにする目的で、in vitro及びin vivoでの解析を推進した。2023年度は、MDSCの機能におけるTNFR2の役割を中心に検討し、in vitroにおける免疫抑制活性の分子メカニズムの一端を明らかにするとともに、in vivoでの腫瘍免疫の抑制にも関わることを明確化できた。以上を総合して、研究は概ね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

今後、TNFR2がin vivoにおいて腫瘍免疫にどのようなメカニズムで関わるか、また、TNFR2シグナルを阻害する薬物の探索についても研究を進める計画である。また、TNFR2コンディショナルKOマウスの作成についても研究支援プラットフォーム事業への申請を検討中である。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Bivalent structure of a TNFR2-selective and agonistic TNF-α mutein Fc-fusion protein enhances the expansion activity of regulatory T cells2023

    • 著者名/発表者名
      Inoue Masaki、Tsuji Yuta、Ueno Reira、Miyamoto Daisuke、Tanaka Keisuke、Moriyasu Yuka、Shibata Saya、Okuda Mei、Ando Daisuke、Abe Yasuhiro、Kamada Haruhiko、Tsunoda Shin-ichi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 号: 1 ページ: 13762-13762

    • DOI

      10.1038/s41598-023-40925-9

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] タンパク質機能改変技術による2型TNF受容体シグナルのユニーク性の解析と創薬応用2022

    • 著者名/発表者名
      角田慎一
    • 雑誌名

      薬学雑誌

      巻: 142 号: 12 ページ: 1297-1305

    • DOI

      10.1248/yakushi.22-00171

    • ISSN
      0031-6903, 1347-5231
    • 年月日
      2022-12-01
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 2型TNF受容体に着目した免疫抑制細胞の機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      辻 優太, 井上 雅己, 角田 慎一
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] In vitro誘導MDSCにおける2型TNF受容体シグナルの機能2023

    • 著者名/発表者名
      村田 桃菜, 井上 雅己, 辻 優太, 角田 慎一
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] MDSCの免疫抑制機能と2型TNF受容体シグナルの連関解析2023

    • 著者名/発表者名
      藤田 悠人, 辻 優太, 井上 雅己, 角田 慎一
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 担癌マウスでの骨髄由来免疫抑制細胞におけるTNFR2シグナルの機能2023

    • 著者名/発表者名
      柴田 茉柚, 辻 優太, 井上 雅己, 角田 慎一
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] In vitroで増幅したTNFR2+CD4+CD25+ Tregの免疫抑制活性2023

    • 著者名/発表者名
      山崎 帆花, 井上 雅己, 角田 慎一
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 抗腫瘍免疫における制御性T細胞での2型TNF受容体シグナルの機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      森脇健斗, 井上雅己, 奥田智也, 角田慎一
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] in vitroにおける免疫抑制細胞の機能とTNFR2シグナルの連関解析2023

    • 著者名/発表者名
      奥田智也, 井上雅己, 森脇健斗, 角田慎一
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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