研究課題/領域番号 |
23K24204
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補助金の研究課題番号 |
22H02943 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 (2023-2024) 富山大学 (2022) |
研究代表者 |
鈴木 章円 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, 主席研究員 (40424684)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | セルアセンブリ / 領域内変化 / 領域間相互作用 / 海馬 / 前頭前野 / 記憶 / 睡眠 / 多点イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
エピソード記憶の形成や想起に重要な脳領域として海馬がある。これまでの研究により、記憶形成後、その記憶の想起には初めは海馬を必要とするが、時間経過に伴い徐々に海馬は不必要となり、代わりに大脳皮質が必要となることが明らかになっている。これらの知見から、「記憶は、時間経過とともに海馬から大脳皮質に徐々に移行され、最終的に大脳皮質に貯蔵される」と考えられている。しかしながら、どのようにして記憶が移行していくのか、未だ謎が多い。 本研究では、リアルタイムで多脳領域から神経活動を計測・認識・操作する技術を用いて、記憶の動的な変化を捉えることで「記憶移行メカニズム」を明らかにする。
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研究実績の概要 |
エピソード記憶の形成や想起に重要な脳領域として海馬がある。これまでの研究により、記憶形成後、その記憶の想起には初めは海馬を必要とするが、時間経過に伴い徐々に海馬は不必要となり、代わりに大脳皮質が必要となることが明らかになっている。これらの知見から、「記憶は、時間経過とともに海馬から大脳皮質に徐々に移行され、最終的に大脳皮質に貯蔵される」と考えられている。しかしながら、どのようにして記憶が移行していくのか、未だ謎が多い。本研究では、リアルタイムで多脳領域から神経活動を計測・認識・操作する技術を用いて、記憶の動的な変化を捉えることで「記憶移行メカニズム」を明らかにすることを目的としている。 令和5年度は、年度途中での私自身の所属機関変更に伴い、旧所属先での機器やサンプルの整理・移動と、現所属先での機器、のセットアップ、サンプルの作製調整、さらに実験系の再現に多くの時間を費やすことになった。このような状況だが、現所属先において、マウスを用い、海馬や前頭前野を必要とする学習行動課題を再現することができた。また、この課題を用いて、上記の脳領域より、学習時やその後の睡眠時におけるセルアセンブリ活動を超微細蛍光内視鏡により計測し、学習時や睡眠時のサブ・セルアセンブリを抽出することにも成功した。現在、このサブ・セルアセンブリ活動変化と記憶の移行に伴う2領域間でのサブ・セルアセンブリ活動の同調性や連続性などの法則を調べている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、年度途中での所属機関の変更により、研究遂行に関して、旧所属先での実験機器・サンプルの整理や移動、さらに現所属先での実験機器のセットアップやマウスを用いた行動実験系の再現に多くの時間が必要となったため、当初の予定よりも研究は遅れている。 しかし、現所属先での研究準備もようやく完了し、研究ができる状況になってきており、次年度は遅延することなく、研究を遂行できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、光や報酬に応答したサブ・セルアセンブリ活動が記憶の質的遷移とともにどのようにして変化していくのか、その因果関係を調べる。そのためには、これらサブ・セルアセンブリの活動を人為的に制御するシステムが必要である。そこで、カルシウムセンサータンパク質であるGCaMP7をAAV感染法により、WTマウスの海馬(CA1)と前頭前野へ発現させる。その後、Light-Reward association taskに供し、CA1および前頭前野より学習時やその後に睡眠時のセルアセンブリ活動を超微細蛍光内視鏡(U-FEIS)により計測する。そして、 光や報酬などに応じたサブ・セルアセンブリ活動を抽出し、繰り返し学習後の睡眠時の、サブ・セルアセンブリ活動変化を記憶が移行するまで追い続け、同調性や連続性などの法則を明らかにする。同時に、サブ・セルアセンブリを形成する神経細胞にChR2もしくはArchTを発現させ、各サブ・セルアセンブリ活動を人為的に活性化または抑制した際の、記憶の移行を調べることで、上記で発見した法則性と記憶の移行の関係を明らかにする。
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