研究課題/領域番号 |
23K24208
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補助金の研究課題番号 |
22H02947 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 (2023-2024) 国立研究開発法人理化学研究所 (2022) |
研究代表者 |
山崎 由美子 新潟医療福祉大学, 心理・福祉学部, 教授 (20399447)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2026年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 社会行動 / マーモセット / 腸内細菌叢 / 利他行動 / 脳腸相関 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトは他者に関心を寄せ、他者感情に共感し、他者を助ける。社会機能障害が乳酸菌の経口摂取によって改善したという報告があるが、マウスを対象としておりヒトでの効果は未知である。本研究は特徴的な社会行動をヒトと共有する霊長類マーモセットを対象とし、乳酸菌などの生理活性物質が腸内細菌叢、各種社会行動、生理的指標、代謝物に与える影響を評価する。特に、社会行動を(1)他者に対する選好、(2) 情動理解、(3)利他行動傾向の3つに分類し、対照として作業記憶課題を行うことによって、摂取物質の特定の機能に対する影響を解明する。社会認知機能障害に対する非侵襲的で副作用の少ない新しい治療法の開発が期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究は霊長類における社会機能と腸内細菌叢との関係を解明するため、社会行動をヒトと共有するマーモセットを対象とし、生理活性物質が腸内細菌叢、各種社会行動、生理的指標、代謝物に与える影響を評価することを目的とする。本年度は昨年度に引き続き、基盤データの取得と、行動評価課題群および装置の開発を行った。 基盤データの取得としては、ベースラインとなる飼育コロニーにおける腸内細菌叢を継続して解析した。糞便の16S rRNAシークエンスを行い、分類階級ごとの細菌の存在比率を算出した結果、Actniobacteriaが最も優勢であり、続いてFirmicute、Bacteroidetesという構成であった。特定の分類群の多寡により何らかの特性が抽出されるかどうか解析を行ったところ、Mycoplasmatota門が高くBlautia属が低いという特徴が、慢性的肝胆膵疾患の個体に共通して見られた。Blautia属は炎症抑制作用に関わるとされており、十二指腸付近での炎症との関係を示す結果と解釈できた。個体ごとに大腿静脈から採血を行い、血液生化学データでは、原因不明の体調不良とALPの一過性の急激な増加が関連していることが観察された。血球データを解析したところ、ヘモグロビン値の漸次的低下を示す個体が見られたが、原因を探索中である。 行動評価課題群及び装置の開発として、社会行動の参照となる認知機能を評価するための作業記憶課題を飼育室内で実施した。馴化を容易にさせるため、飼育室内において実験を行った。4つの餌場に1つずつ餌が隠され、1つ餌を取るごとにカバーで隠された。未回収の場所を憶え、更新する能力、すなわち作業記憶能力が必要とされた。マーモセットはこの課題を迅速に習得し、比較的得られる餌が多いものの、連続して4試行を、モチベーションを維持しながら行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度後半に、マーモセットコロニーを神戸から新潟まで移動させた。それに伴い、比較的高齢の個体に体調不良が生じ、安定化させるのに3か月以上を要した。体調不良でなくても、新しい環境に対し体調が不安定となる個体が見られた。この間、付加的なストレスを与えないよう、行動実験は控え、基盤データの取得に努め、コロニー全体の体調の安定化に努めた。その結果、環境整備が完成し、動物の体調も高いレベルで安定化させるところまで持ってこられた。腸内細菌叢解析では、これまでに構築した解析プログラムを利用するなどして、進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
申請者の所属機関が変わったことにより、マーモセットコロニーの管理体制が大幅に変わった。飼育・実験施設などの物理的変化に加え、管理する人員の変更と削減があった。現在の体制では実験に割ける時間と人員が非常に限られているため、今後は一時的に実験遂行のできる人材を一時的に雇用したり、解析のアウトソーシングを進めたりしながら、効率的に研究を進める体制を改めて構築しなおす必要がある。
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