研究課題/領域番号 |
23K24214
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補助金の研究課題番号 |
22H02953 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2024) 長崎大学 (2022-2023) |
研究代表者 |
松本 弦 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (50415303)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2026年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 選択的オートファジー / アグリファジー / 神経変性疾患 / 凝集体分解 / タウ / タウオパチー / アグリファジー促進 |
研究開始時の研究の概要 |
神経変性疾患の原因の一つと考えられているタンパク質凝集体の細胞内分解機構であるアグリファジー促進機構の分子メカニズムを明らかにする
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研究実績の概要 |
アルツハイマー病などの認知症およびパーキンソン病などの神経変性疾患では、 神経細胞内に疾患特異的タンパク質凝集体が蓄積する。加齢に伴いタンパク質分解機構に機能不全が生じることが発症要因の一つと考えられているが、その詳細はわかっていない。我々はこれまでに、タウタンパク質凝集体を蓄積する培養細胞モデルを樹立し、タウ凝集体の細胞内分解を促進するADI (Aggregate degradation inducer) 化合物を見出した。ADI化合物は、タンパク質凝集体の選択的オートファジーによる分解(アグリファジー)を促進することで、タウ凝集体の分解をしていることがわかった。本研究では、ADI化合物の標的分子を同定し、アグリファジー促進に至る分子メカニズムを明らかにすることで、加齢に伴う神経細胞内のタンパク質分解機構の機能不全の原因を明らかにすることを目的とする。 ADI化合物が直接結合するタンパク質を同定するため、ADI化合物の薬理効果に影響の少ない領域にプルダウン用のビオチンタグと光活性化型クロスリンカーの両方を導入した化合物(ADI-44)を有機合成した。ADI-44と細胞を処理し、UV照射することでADI-44とその結合タンパク質をクロスリンクし、ADI-44のビオチンタグを利用して光架橋したタンパク質をストレプトアビジンビーズを用いてプルダウンした。UV クロスリンク依存的に出現するバンドに含まれるタンパク質を LC-MS/MS 解析により同定したところ、複数の候補が同定された。同定した候補タンパク質をヒト培養細胞のcDNAライブラリーからクローニングして、大腸菌から候補タンパク質を精製した。精製した候補タンパク質はin vitroでADI-44をクロスリンクし、過剰の水溶性誘導体のADI-89でクロスリンクが阻害されたことから、ADIが直接結合していることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ADIの標的タンパク質を同定できたことから、標的タンパク質の機能変化についてin vitroで検証していきたいと考えていたが、標的タンパク質が多機能タンパク質であったことから、機能評価か難しい問題として残っている。また、Biacoreをつかった結合定数の測定も化合物がセンサーチップに非特異的に結合してしまうため、結合定数の測定は難しいと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
ADIと標的タンパク質との直接結合が確認できたことで、ADIが結合することにより標的タンパク質の機能がどのように変化するのかについて、次年度検証していくことになる。現在までに、標的タンパク質の免疫染色により、ADIの天下により標的タンパク質の細胞内局在が変化することを確認している。次年度は、なぜこのような局在変化がおこり、その結果として何がおこるのかについて明らかにしていく。
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