研究課題/領域番号 |
23K24233
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補助金の研究課題番号 |
22H02972 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
長谷川 寛雄 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (00398166)
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研究分担者 |
斎藤 益満 国立感染症研究所, 感染症危機管理研究センター, 主任研究官 (20571045)
柳原 克紀 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40315239)
今泉 芳孝 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 客員研究員 (40404305)
佐々木 大介 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (90624784)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
2025年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | HTLV-1 / 組み込み部位 / 遺伝子検査 / ATL |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトT 細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)感染者の約5%が成人T 細胞白血病・リンパ腫(ATL)を発症するが、その機序および発症リスクは不明である。これまでの申請者らの研究成果として、HTLV-1のヒトゲノムへの組込み部位を簡便に検出し、同時にクロナリティを評価できる検査の原型(RAISE法)を開発した。本研究においてはRAISE法をさらに進化させ、ATL発症のリスク評価を含めた検査系を確立し、本検査法がATLの診断基準の一部となるような完成型を目指す。
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研究実績の概要 |
ヒトT 細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)感染者の約5%が成人T 細胞白血病・リンパ腫(ATL)を発症するが、その機序は不明である。申請者らは、HTLV-1のヒトゲノムへの組込み部位を簡便に検出し、クロナリティも評価できる検査の原型(RAISE法)を開発した。これによりATL発症機序の解明に近づいた一方で、クロナリティを定量的に評価できるcut off index (COI)に該当する基準がないことが制約であった。本研究の目的は「クロナリティを定量的に評価できる検査」と「組込み部位解析とHTLV-1遺伝子変異解析によるクローンのリスク評価」の2つを包括した検査系を実用化することである。 まずRAISE法に関しては感度と簡便性を高めたRAISING法へと改良を重ねている。RAISE法ではクロナリティ判定に定量性を持たせることが困難であったことから、サンガーシークエンス法から塩基編集効率を測定するプログラム「EditR」(CRISPR J 2018;1(3):239-250.)に着目し、これをベースとした解析ソフトウエアの開発に取り組んだ。シークエンスデータのメインクローンのスペクトル値の割合(クロナリティバリュー)を算出すると、その値はATL症例では0.5-1.0の領域に収束しキャリアにおいては0.1前後の領域に収束する傾向であり、COIが設定可能であった(Commun Biol. 2022 Jun 2;5(1):535.)。一方で他の検体群においてはCOIによって必ずしも高感度・特異度が得られない場合もあり、精度を高める方法の模索を開始している。また、可能な限り長期間の経時的な評価をおこなうことも重要な目的であり、継続中である。さらに、HTLV-1遺伝子解析と組込み部位解析に関しては、クローン毎の評価を開始しており、データを集積中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者らが開発したRAISE法に関しては感度と簡便性を高めたRAISING法へと改良を重ねている。RAISE法ではクロナリティ判定に定量性を持たせることが困難であったが、サンガーシークエンス法から塩基編集効率を測定するプログラムに着目し、これをベースとした解析ソフトウエアの開発に取り組んだ。シークエンスデータのメインクローンのスペクトル値の割合(クロナリティバリュー:CV)を算出すると、その値はATL症例では0.5-1.0の領域に収束しキャリアにおいては0.1前後の領域に収束する傾向であり、COIが設定可能であった(Commun Biol. 2022 Jun 2;5(1):535.)。これらの成果を論文化することができ、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
申請者らが開発したRAISE法に関しては感度と簡便性を高めたRAISING法へと改良を重ねており、次年度以降も改良を重ねる。RAISE法ではクロナリティ判定に定量性を持たせることが困難であったが、サンガーシークエンス法から塩基編集効率を測定するプログラムに着目し、これをベースとした解析ソフトウエアの開発に取り組んだ。シークエンスデータのメインクローンのスペクトル値の割合(クロナリティバリュー:CV)を算出すると、その値はATL症例では0.5-1.0の領域に収束しキャリアにおいては0.1前後の領域に収束する傾向であり、COIが設定可能であった。これらの成果を論文化することができた。一方で他の検体群においてはCOIによって必ずしも高感度・特異度が得られない場合もあり、その原因の追究や精度を高める方法の模索を開始しており、今後の課題である。また、可能な限り長期間の経時的な評価をおこなうことも重要な目的であり、継続する必要がある。さらに、HTLV-1遺伝子解析と組込み部位解析に関しては、クローン毎の評価を開始しており、データを集積を続ける。
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