研究課題/領域番号 |
23K24260
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補助金の研究課題番号 |
22H02999 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
橋岡 禎征 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00622523)
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研究分担者 |
松田 孟士 旭川医科大学, 医学部, 助教 (00804759)
大朏 孝治 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (10535256)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 電気けいれん療法 / 神経炎症 / グリア / ミクログリア / アストロサイト / 炎症性因子 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は以前、電気けいれん療法(ECT; electroconvulsive treatment)の治療効果は、活性化ミクログリアと活性化アストロサイトの抑制を介して発現することを報告した。この研究成果を基盤とし、「ECTは、活性化グリアが引き起こす神経炎症を抑制することによって、脳の恒常性を回復させ、治療効果を発揮するのではないか」という着想に至った。本研究はECTの作用機序を抗神経炎症作用の観点から解明することを目的とし、神経炎症モデルラットを用いた基礎研究と、magnetic resonance spectroscopyを用いた臨床研究の両面からECTの抗神経炎症作用を包括的に検証する。
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研究実績の概要 |
電気けいれん療法electroconvulsive therapy (ECT)の作用機序を抗神経炎症作用の観点から解明するため、まず神経炎症モデルラットの作出を試みた。 成人において最も罹患率の高い慢性炎症性疾患である歯周炎を引き起こす主要な歯周病菌ポルフィロモナス・ジンジバリスPorphyromonas gingivalis (Pg)由来のリポ多糖lipopolysaccharide (LPS)をラットに腹腔内注射して、うつ様行動と海馬および前頭前皮質におけるグリア活性化が引き起こされるかどうかを調べた。その結果、Pg-LPSの全身投与後、Pg-LPS群の強制水泳試験における不動時間は生理食塩水群に比べ有意に長かった。Y迷路試験では、Pg-LPS群で生理食塩水群に比べ自発的交替行動の有意な低下が観察された。また、海馬および前頭前皮質におけるミクログリアIba-1およびアストロサイトGFAPの免疫反応性を定量したところ、Pg-LPSの全身投与により海馬および前頭前皮質におけるIba-1とGFAPの免疫反応性が有意に増加していた。 これらの結果から、Pg-LPSをラットに反復全身投与することでうつ様行動とミクログリアおよびアストロサイトの活性化を引き起こす神経炎症が誘導されることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯周病菌由来リポ多糖LPSの反復全身投与により脳内で神経炎症を生じ、うつ様行動を呈するモデル動物を確立することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は動物実験に加えて、神経炎症のモデルとなる培養細胞を用いて電気けいれん療法の抗神経炎症作用について調べる。
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