研究課題/領域番号 |
23K24278
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補助金の研究課題番号 |
22H03017 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
岡沢 秀彦 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 教授 (50360813)
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研究分担者 |
牧野 顕 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 准教授 (00566226)
辻川 哲也 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (30380033)
森 哲也 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 助教 (40397287)
井川 正道 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (60444212)
小坂 浩隆 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (70401966)
近藤 堅司 福井大学, 高エネルギー医学研究センター, 招聘准教授 (20933477)
北 章延 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 放射線技師 (50935145)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | タウPETイメージング / アミロイド / 認知症 / PET/MRI / 分子病態 / タウ / 酸化ストレス / 脳機能 |
研究開始時の研究の概要 |
分子イメージングの進歩により、認知症・神経変性疾患における病変蛋白の可視化が実現した。本研究は、病態を反映すると期待されてるタウPET画像を基に認知症を層別化し、様々な認知症の分子病態を脳画像で解明することを目的とする。軽度認知障害(MCI)~早期認知症患者および同年齢層の健常者を対象にアミロイド・タウPETを行い、各種認知機能障害のタイプやレベル、病期等を分類し、タウ陽性の前臨床アルツハイマー病とタウオパチーを対象に評価する。さらに、酸化ストレス画像、グルタミン酸受容体画像、血流画像、MRI機能画像等を追加し、マルチモダリティ解析で各神経変性疾患の分子病態を解明し、新しい治療法の開発に繋げる。
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研究実績の概要 |
近年分子イメージングの発展により、認知症・神経変性疾患における病変蛋白の可視化と病態評価が実現し、早期認知症診断、特にアルツハイマー型認知症の診断精度が向上している。本研究はタウPET画像での脳内集積を基に、アルツハイマー型認知症その他の認知症を層別化し、様々な認知症の分子病態を脳画像で解明して診療に繋げることを目的とした。 ベースとなるタウPET画像には[F-18]MK6240を用い、これに加えて[C-11]PiBでのアミロイドPET画像、[Cu-64]ATSMでの酸化ストレスPET画像を組合せ、アミロイド・タウ・酸化ストレス(ATO)PET/MRI研究を実施した。さらにPET/MRI装置による各種MRI機能画像も認知症病態の解析に用いた。 本研究課題によるPET/MRIによる2022年度の認知症検査件数は、高齢者を対象としていることもあり、一部脱落症例があったものの、[F-18]MK6240 12件、[C-11]PiB 15件、[Cu-64]ATSM 13件が集積され、集積されたデータに基づく脳機能画像研究の成果を国内外の学会報告および英文論文にて発表した。2022年度に採択された英文論文は8編であった。また、国際脳核医学会(WFNMB)のサテライトシンポジウムで、認知症PETに関する特別講演を行う機会を与えられ、この分野の研究者に最先端の脳分子イメージング、マルチモダリティイメージング研究に関するレビューとディスカッションを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述の通りPET/MRIの実施件数は、[F-18]MK6240 12件、[C-11]PiB 15件、[Cu-64]ATSM 13件であり、10名以上の被験者に三薬剤でのPET/MRIを実施することができた。これらの被験者の内約半数は高齢健常者であり、健常者群のデータベース作成も順調に進んでいる。また、初年度ではあるものの、多くの研究発表や論文発表を行うことができた。 AI (CNN)による新たな画像再構成法の開発は、担当者の異動に伴い次年度からの研究遂行がやや危惧されるが、新たな共同研究機関の開拓により実施していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降も認知症患者、健常被験者の参加を募集し、データベース構築を進めるとともに順次脳病態解析を行なっていく。ただし、Cu-64産生のための標的(ターゲット)金属であるNi-64が、ウクライナ戦争による価格高騰と輸入量減少により入手困難となっており、[Cu-64]ATSMによる酸化ストレスPET/MRIは、今後中止せざるを得ない状況である。代替手段として、グリア活性を標的とした新たなPET薬剤である[F-18]SMBT-1の導入を検討中である。また、AI (CNN)による新たな画像再構成法の開発研究は前述のとおり、担当者の異動に伴い次年度からの研究遂行がやや危惧されるものの、新たな共同研究機関の開拓により実施していく予定である。
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