研究課題/領域番号 |
23K24282
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補助金の研究課題番号 |
22H03021 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 光宏 京都大学, 医学研究科, 教授 (30584255)
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研究分担者 |
中尾 恵 京都大学, 医学研究科, 教授 (10362526)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2025年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 医学物理学 / 統計形状モデリング / 圧縮センシング / 敵対的生成ネットワーク / 寡分割高精度放射線治療 / 統計呼吸動体モデル / 時空間画像データ / 適応放射線治療 / 非侵襲呼吸性移動対策 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線治療において、照射回数を減らして1回に照射する線量を増加させる「寡分割照射」は医療上・医療経済上の有益性が高く、その適用が広がりつつある。そこで本研究では、放射線治療の各工程で取得可能な低次元かつ局所的な情報のみを手がかりに、最先端のデータ駆動型アプローチを活用することで、患者固有の生体臓器に関する高次元かつ広範囲の状態復元や状態表現を可能とする基盤技術を開発し、安全で非侵襲な高精度寡分割照射の実現を目指す。
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研究実績の概要 |
深層学習を用いてサイノグラムを補完し、コーンビームCT(CBCT)のFOV拡張を目指した。腹部疾患に対して放射線治療を施行した80症例分の計画用CT(pCT)を無作為に学習用64セットとテスト用16セットに分割した。深層学習アルゴリズムの一つであるpix2pixを使用して、学習用セットから「Sinogramベースモデル」「CTベースモデル」を構築した。その後、テスト用セットを用いて平均絶対誤差 (MAE) と二乗平均平方根誤差 (RMSE) と構造的類似性 (SSIM)を算出した。MAE、RMSE、SSIMの中央値は (Sinogramベースモデル、CTベースモデル) でそれぞれ (16.91、48.11) HU、(23.19、29.57) HU、(0.91、0.83)であった。 一方、非侵襲な動体追尾照射を実現する方法として、ハイブリッド型マーカーレス動体追尾照射を実現すべく、kV-X線透視画像から標的の代替としての横隔膜を位置検出し、相関モデルを用いて横隔膜位置を予測する手法を開発した。胸腹部腫瘍を有する患者18症例を対象とし、三次元金マーカー位置(P_GM)と三次元横隔膜位置(P_DP)を算出した。データセットの前半20秒間でIRマーカー信号からP_GM及びP_DPを予測する相関モデルを構築し、後半50秒間で各相関モデルにIRマーカー信号を入力しP_GM及びP_DPを予測した。相関モデル予測誤差が3 mm以内であった割合は、P_GMでは左右、頭尾、背腹方向においてそれぞれ98.3%、81.7%、98.3%、P_DPではそれぞれ50.4%、84.2%、29.8%であった。また、頭尾方向の日内標的照準不確かさが3 mm以内であった割合は88.8%であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに研究が進捗したため。
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今後の研究の推進方策 |
①実投与線量評価のための合成CTの作成|これまでに開発したアーチファクト除去モデルとFOV拡張モデルの精度向上を目指す。その後、両者を同時に達成するアルゴリズムを開発する。②治療期間中の線量分布予測|画像生成AIを用いて、治療計画用CTから体内臓器の形状が異なる多数のCTを生成する技術を開発する。そして、その画像を用いて、治療計画時に得られた線量分布の妥当性を検証する。③非侵襲動体追尾照射法の開発|回転画像を用いて、横隔膜位置を検出し、そこから腫瘍位置を推定する方法を開発する。同時に、腫瘍位置を直接推定する方法も開発する。両者の精度を高め、最終的には両者を組み合わせて、非侵襲動体追尾VMAT照射中のモニタリングに使用できるようにする。
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