研究課題/領域番号 |
23K24286
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補助金の研究課題番号 |
22H03025 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小川 和彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40253984)
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研究分担者 |
玉利 慶介 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30718995)
高橋 豊 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (40353461)
皆巳 和賢 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90634593)
金井 達明 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (80161149)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 重粒子線治療 / 超高線量率照射 / 放射線生物 / がん転移 / 免疫チェックポイント阻害 / FLASH効果 / 炭素イオン線 / 免疫放射線療法 / がん転移能 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、放射線治療と免疫療法の併用が、がん治療において注目されており、局所制御や遠隔転移抑制の観点から有望であるが、最適な併用時期、総線量や分割方法など解決すべき課題は山積している。 本研究課題では、難治性癌を含む様々な癌種に対する光子線・重粒子線免疫療法の効果を検証するだけでなく、近年注目されつつある超高線量率照射(> 40 Gy/sec)(FLASH照射)を用いることで、線質の違いだけでなく、線量率の違いにも着目し、免疫チェックポイント阻害剤併用時期、総線量、分割法を細胞実験・動物実験から遺伝子発現解析までを網羅的に検討・解析することにより、最適な免疫放射線治療法を確立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、難治性癌を含む様々な癌種に対する光子線・重粒子線免疫療法の効果を検証するだけでなく、近年注目されつつある超高線量率照射(> 40 Gy/sec)(FLASH照射)を用いることで、線質の違いだけでなく、線量率の違いにも着目し、免疫チェックポイント阻害剤併用時期、総線量、分割法を細胞実験から遺伝子発現解析までを網羅的に検討・解析することにより、最適な免疫放射線治療法を確立することを目的としている。本年度は、炭素イオン線照射のFLASH効果の有無に焦点を絞り実験を遂行した。 ヒト唾液腺癌細胞株HSGc-C5、ヒト肺気管支上皮細胞株Nuli-1、ヒト正常皮膚上皮細胞株HDFに対して炭素イオン線を用いた通常照射(< 0.1 Gy/sec)もしくは、FLASH照射(> 40 Gy/sec)を行い、細胞生存率をColony formation assay、遊走能をBoyden chamber assay、浸潤能をMatrigel invasion assayを用いて評価し、照射による細胞致死効果及び転移能を分析した。その結果、HSGc-C5細胞では照射条件間での殺細胞効果に有意差がみられなかった一方で、正常細胞株2種に対しては、FLASH照射を行った細胞の生残率が通常照射を行った細胞の生残率を上回る結果となった。さらに、細胞酸素濃度にも着目し、常酸素細胞と低酸素細胞によるFLASH照射の細胞応答に対する影響も上述した実験により併せて解析した結果、低酸素環境におかれた細胞の方がFLASH効果があらわれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の目標である重粒子線を用いた超高線量率照射システムを確立し、細胞実験を通じてFLASH効果が生じることを確認できた為。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、がん細胞から発現している免疫応答関連因子に関して通常線量率ならびに超高線量率照射の影響を検討する。
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