研究課題/領域番号 |
23K24290
|
補助金の研究課題番号 |
22H03029 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
李 桃生 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50379997)
|
研究分担者 |
西 弘大 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (10719496)
浦田 芳重 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 特任研究員 (30185087)
後藤 信治 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (50186889)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
|
キーワード | 放射線影響 / 幹細胞機能 / ミトコンドリア / 低線量率放射線 / 幹細胞傷害 / ミトコンドリア機能 / ミトコンドリア代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
低線量放射線の遠隔期確率的影響に関しては未だに不明瞭な点が多く残されている。本研究は、最新の研究手法を駆使して、放射線の生体影響を分子・細胞・臓器・生体レベルで総合的に定量評価し、特に組織幹細胞とミトコンドリア代謝機能などの新しい角度から低線量放射線被ばくの遠隔期確率的影響をより高感度で的確に素早く捉えられることを目指す。
|
研究実績の概要 |
健常C57BL/6マウス(8週齢)を用いて、0, 1, 10, and 100 mGy/日の低線量率で30日間連続照射を行い、照射終了1週間(急性期)および3ヶ月後(慢性期)にマウスを犠牲死させ、末梢血、骨髄単核球細胞、心臓組織、および肝臓組織を採集した。採集した骨髄単核球細胞からc-kit陽性幹(前駆)細胞を単離し、コロニー形成機能などの解析を行った。また、採取した組織・細胞の検体標本を凍結保蔵した。 マウスの体重および心臓・肝臓の肉眼所見、急性期と慢性期において全ての線量で明らかな変化が見られなかった。また、急性期において、骨髄単核球細胞の数にはすべての線量で有意な変化が見られなかったが、コロニー形成数では1 mGy/日の線量を含めて、線量依存的に有意な減少を認められた。しかし、分離したc-kit陽性幹(前駆)細胞の数およびコロニー形成数は全ての線量において有意な変化が見られなかった。一方、慢性期において、分離したc-kit陽性幹(前駆)細胞の数は全ての線量で有意な変化が見られなかったが、コロニー形成数では10 mGy/日の線量以上で線量依存的に有意な減少を認められた。 採集した血清、心臓、肝臓、および分離した骨髄由来c-kit陽性幹(前駆)細胞からRNAおよびタンパクの分離・保蔵もほぼ完了している。また、肝臓組織などミトコンドリア機能関連分子の発現などの解析も進んでおり、データ集計中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスの低線量率照射実験は既に終了し、研究に必要な検体標本の採集・処理も無事に行いました。また、一部の解析も進んでおり、興味深い所見も得られた。
|
今後の研究の推進方策 |
採集した血清、心臓、肝臓、分離した骨髄由来c-kit陽性幹(前駆)細胞などを用いて、ミトコンドリア機能および臓器代謝機能などの視点から、放射線傷害をより詳細かつ総合的に評価する。
|