研究課題/領域番号 |
23K24297
|
補助金の研究課題番号 |
22H03036 (2022-2023)
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 富山大学 (2023-2024) 新潟大学 (2022) |
研究代表者 |
今井 千速 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (90419284)
|
研究分担者 |
三原 圭一朗 藤田医科大学, 国際再生医療センター, 教授 (90363077)
久保 貴紀 安田女子大学, 薬学部, 准教授 (90435751)
今村 勝 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80464006)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2024年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
|
キーワード | キメラ抗原受容体 / NK細胞 / CAR-T細胞 / NK細胞受容体 / NKp44 / CAR-NK細胞 / メモリー様NK細胞 / 肉腫 / 脳腫瘍 / 小児がん |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、幅広い悪性腫瘍に対して有効、かつ、低コストである新規NK細胞製剤を開発することである。第3者健常成人に由来するNK細胞をプラットフォームに、新しい手法でNK細胞を増幅培養し、キメラ抗原受容体遺伝子を導入し、CAR-NK細胞製剤を作成する。本研究で検討中の新規培養法で作成したNK細胞の独特のフェノタイプを詳細に検討している。同細胞の大量調整技術を確立し、さらに、NK細胞の欠点を補う遺伝子改変技術・人工遺伝子に関する知的財産を取得し、製剤化に向かう端緒とする。
|
研究実績の概要 |
難治がんに対する大量生産型(Off-the-shelf)の健常成人末梢血由来の遺伝子改変免疫細胞製剤の開発に向けて、(1)NK細胞のメモリー様分化の分子基盤と誘導法の解明、製造法および遺伝子改変法の確立、(2)膜型サイトカインの新規開発、(3)NK細胞における最適なシグナルドメインの同定、(4)開発したNK細胞製剤の有用性の証明(in-vitro / ヒト腫瘍の異種移植マウスモデル)、の4項目に沿って研究を進めている。(1)について、従来型のフィーダー細胞を用いる培養と複数サイトカインと刺激抗体による培養との比較検討を数十人規模の複数ドナーで実施した。(2)サイトカイン遺伝子Xの膜結合型コンストラクトをデザイン、ベクターを作成、ウイルスベクターにより細胞株やヒトNK細胞に遺伝子導入し、同コンストラクトが膜結合の状態で膜表面にサイトカインXを発現できることを確認し、機能解析を行った。(3)CD3zに加えて4-1BBまたはCD28といった共刺激受容体シグナルドメインを追加することで、CAR-NK細胞の傷害活性の亢進およびサイトカイン産生亢進を確認した。他の共刺激分子の評価のため、NKp44-CARをベースに5つの異なるコンストラクトを作成し、CAR-T細胞にて機能変化を解析した。ヒト腫瘍検体RNAにおけるNKp44リガンド発現を検討し、発現が確認された。NKG2D改変型CARを新規開発中である。(4)異種腫瘍を生着させたマウスモデルの作成を複数の腫瘍系で検討し、ルシフェラーゼによる腫瘍細胞増殖のモニタリングが可能であることを確認した。NK細胞/CAR-NK細胞のIn vivo機能評価の準備を兼ねて、新規CAR-T細胞を用いてIn vivo評価系の確立に向けた検討を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4つの検討課題について一定の進捗と実験結果が得られている。サイトカイン誘導型のメモリー様NK細胞の新規製造法の確立と、既存法との比較は予定通り順調に進んでいる。膜型サイトカイン、新規共シグナルのNKp44-CAR遺伝子、その他の新規CAR遺伝子の開発といった形で、幅広く研究の裾野を広げることができているため。
|
今後の研究の推進方策 |
先の計画通りに進める予定である。NK細胞のメモリー様分化の分子基盤の解明について、RNAシーケンス等による詳細比較を進め、分子変化と機能的変化との関係性について引き続き解析する。膜結合型サイトカインについては新規作成した遺伝子の表面発現は確認できており、引き続き機能解析を行う。また、シグナル改変したNKp44CAR新規遺伝子の評価はT細胞においてほぼ完了し、最大効果を引き起こす構造を決定した。引き続きNK細胞における評価に移行する。さらに新規培養法で製造したNK細胞(CAR-NK細胞)のIn vivoにおける機能評価に取り組む。
|