研究課題/領域番号 |
23K24301
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補助金の研究課題番号 |
22H03040 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
王 英正 岡山大学, 大学病院, 教授 (50372579)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 難治性血管炎 / 単一細胞解析 / CRISPR/dCas9 / 川崎病 / マイクロRNA / Crispr-dCas9 / 川崎病血管炎 / マイクロRNA療法 / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
川崎病は小児に発症する原因不明な急性血管炎症候群であり、免疫グロブリン静注(IVIG)とアスピリンの併用療法が標準治療であるが、約20%の症例で治療抵抗性があり、冠動脈疾患発症の高リスク群とされている。本研究で同定したmiRをsignal-guide RNA存在下でCrispr-dCas9システムを活用することで、標的マクロファージならびに血管内皮平滑筋細胞に特異的に導入するlentivirus deliveryならびに治療用liposome deliveryの技術開発と臨床実用化を目指す橋渡し研究である。
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研究実績の概要 |
川崎病モデルマウスをday-0, 7, 14, 28日目にかけて、心臓内におけるCD45陽性細胞ならびにCD45陰性細胞にわけてsmall RNA sequencingを行った。また、収集したCD45陽性細胞を用いた二次元のt-SNE解析では、マクロファージ(8 clusters)、好中球(3 clusters)、T細胞(5 clusters)、B細胞(2 clusters)、natural killer細胞(1 cluster)、樹状細胞(3 clusters)、リンパ球(1 cluster)、また、CD45陰性細胞集団より、線維芽細胞(3 clusters)、血管内皮細胞(4 clusters)、平滑筋細胞(2 clusters)を同定した。川崎病血管炎モデルにおける炎症7日目での好中球発現プロファイルでは、既報のIL1alpha/beta、Mmp8の発現上昇とともに、Cxcl2, Cxcl3, Cxcl10がIL6やTnf-alphaの産生に寄与し、さらに、IFN-gamma誘導性guanylate-binding proteinsの発現上昇をはじめ、Neutrophilic granule proteinやMapkなどのカスケードを活性化させ、心筋組織の繊維化工程に誘導することを明らかにした。一方、マクロファージclusterでは、炎症後14日目にCcl6, Ccl7, Ccl8, Ccl24の発現上昇を認め、また、T細胞clusterでは、Th17サイトカインがcluster 2, 4に高発現し、Cd4, Tnfsf11を介してT細胞の活性化させ、炎症後21日目には制御性T細胞が主体となり、IL-2, IL3, IL23などの発現に伴い、炎症を収束させる代償性免疫応答機構のプログラムが活性化された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
川崎病マウスモデルの樹立、炎症各ステージにおける心臓内CD45陽性並びに陰性細胞を純化精製後small RNA sequencing及び単一細胞解析まで進められたことは概ね計画通りと言える。炎症が惹起された初期フェーズおよび組織修復に関わる後期フェーズそれぞれに対して、候補small RNA及び転写因子の選定に、中軸となる炎症性サイトカインの情報伝達経路を予測プログラムを組み入れることで、最短で最も特異的な候補因子群への絞り込み作業を行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られたデータを総括し、さらなる狭義的解析に進めるにあたって、small RNAならびに各種転写因子間における情報伝達の活性化経路を予測するPROGENyプログラムを用いた推測工程を必要としている。IL1aplha/beta, TGF-betaやNF-kappabといった既知の炎症活性化カスケードを主体に候補因子に関する絞り込みを行い、最適な治療対象となる免疫細胞種の選定と候補small RNAを併用したCrispr-dCas9システムによる細胞標的RNA調節型lentivirusを樹立していく。
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