研究課題/領域番号 |
23K24310
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補助金の研究課題番号 |
22H03049 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所 |
研究代表者 |
永田 浩一 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 分子病態研究部, 部長 (50252143)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | KCNQ2 / 良性家族性てんかん / てんかん性脳症 / マウスモデル / K+チャネル / 良性家族性新生児てんかん / 発達性てんかん性脳症 / てんかん脳症 / 変異マウス / イオンチャネル |
研究開始時の研究の概要 |
KCNQ2は中枢神経系で電位依存性K+チャネルとして機能する。興味深いことに、KCNQ2は良性家族性新生児てんかん(BFNE)、および、発達性てんかん性脳症 (DEE)の両方の責任遺伝子である。注目すべきは、213番目のArg(R)がTrp(W)に変化すればBFNE、Gln(Q)に変化すればDEEという、全く予後が異なる病態を発症することである。そこで本研究では、KCNQ2-R213Wおよび-R213Q変異マウスを作出し、それぞれBFNEとDEEのモデルとして解析し、これらの臨床像の差を決定する分子病態を解明することで、DEEの病態形成メカニズムの本質に迫ることを目的とする。
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研究実績の概要 |
てんかんは反復性発作を主徴とする疾患で、細胞膜に発現するイオンチャネルや受容体の機能異常による神経細胞の過剰な電気的興奮が原因と考えられる。興味深いことに、電位依存性K+チャネルKCNQ2は良性家族性新生児てんかん(BFNE)、および、発達性てんかん性脳症 (DEE)の両方の責任遺伝子である。KCNQ2変異とてんかん病態との関連性で注目すべきは、213番目のArg(R)がTrp(W)に変化すればBFNE、Gln(Q)に変化すればDEEという、全く予後が異なる病態を発症することである。しかし、同一アミノ酸のミスセンス変異の差で臨床症状に劇的な違いが生じる理由は不明である。 本研究の目的は、1)KCNQ2の機能障害に着目し、BFNEとDEEの遺伝子異常を模倣したKnock-in(KI)マウス(KCNQ2-R213W-KI および R213Q-KIマウス)を作出し、2)独自に構築した「in vivo/vitro発達障害病態解析バッテリー」を用いてこれら2種類のモデルマウスを包括的に解析することで、BFNEとDEEの病態を決定する分子メカニズムを明らかにすること、および、3)DEEの新規治療法開発のための標的シグナル経路・分子を見出して治療薬候補のシーズを得ること、である。 KCNQ2-R213Qおよび-R213Wノックイン(KI)マウスを現在までに作出して、形態解析と電気整理解析をおこなっている。その結果、双方のマウスとも、中枢神経系のマクロレベルの構造に大きな変化は受けていない。しかし、KCNQ2-R213Qマウスは発達期の大脳皮質神経細胞の移動障害を受けることから、発達期の形態異常がDEEの病態に関連する可能性がある。また、電気生理学的解析では、いずれのマウスも皮質神経細胞の興奮性が増大していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
KCNQ2-R213WとKCNQ2-R213Qマウスの作出が完了し、形態学的解析と電気生理学的解析が順調に進んでいる。また、KCNQ2-R213Wと-R213Qに結合する蛋白質の探索 (質量分析) と大脳皮質のRNA-Seq (RNAシーケンス) 解析も順調に進んでいる。したがって、現時点で研究計画はおおむね順調に進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
KCNQ2-R213Qおよび-R213W-KIマウスの質量分析とRNAシーケンスの結果、KCNQ2の病態形成に関与するシグナル分子が同定された場合、相互作用を生化学・細胞生物学的に解析する。さらに、必要に応じて抗体などの実験用ツールを自作し、BFNEとDEEにおけるシグナル経路の障害を生化学・分子細胞生物学的に比較解析する予定である。また、2種類のモデルマウスの1)社会性, 2)養育行動, 3)新奇環境への適応, 4)記憶学習を評価し、分子機能と行動の関連性を解析する。
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