研究課題/領域番号 |
23K24318
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補助金の研究課題番号 |
22H03057 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
榎本 信幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任教授 (20251530)
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研究分担者 |
前川 伸哉 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任教授 (70397298)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 原発性肝癌 / 老化関連分子 / 分子標的治療薬 / ウイルスゲノム変異 / 肝癌ゲノム変異 |
研究開始時の研究の概要 |
●本研究の目的は肝炎ウイルス制御時代の現在、なお認められる肝発癌に対して、“老化“を中心とした炎症にフォーカスした視点から発癌メカニズムを検討、次世代遺伝子解析による肝癌組織ゲノム・ウイルスゲノム情報を加えて統合的に解析、効果予測が困難な免疫チェックポイント阻害剤(ICI) ・マルチキナーゼ阻害剤(TKI)における有用なバイオマーカーを同定・確立することである。 ●本研究では、申請者らが蓄積してきた肝癌ゲノムとウイルスゲノムに加え、老化因子を中心とした炎症の関与を統合的に解析、新たな治療標的分子を明らかとするとともに、治療反応性を予測するバイオマーカーを同定することを目指してゆく。
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研究実績の概要 |
●血液サンプルを利用した炎症・老化関連バイオマーカーの同定と確立:DAAによるウイルス排除後のC型肝炎患者のみならず、B型肝炎、NAFLD患者等を含めて、ケモカイン濃度と年齢との関連についてCXCL10に着目して検討したところ、特にDAAによるウイルス排除後のC型肝炎患者が最も強い関連を示したものの、やはり年齢が高くなるにつれて高値となる傾向を認め、肝疾患におけるSASP因子としてのケモカインCXCL10の関与が示唆された。興味深いことに線維化マーカーとして報告されているM2BPGiとCXCL10には強い相関を認め、線維化の有用な指標であるMR elastographyよりもM2BPGiとCXCL10値の関連は強く、また両者とも女性がより高値となることがを認められた。 ●次世代1分子シークエンスを用いたウイルスゲノムの解析:本研究では、老化関連因子とウイルスゲノムの関連も詳細に明らかとしてゆくことを目指している。昨年度までにrolling circle amplificationを応用した一分子シークエンスにより、完全長ウイルスゲノムのdeep sequenceシステムを特にC型肝炎ウイルス(HCV)において構築し、病態進展に伴い構造蛋白の欠損が生じることを明らかとしてきた。本年はB型肝炎ウイルスにおいても、一分子シークエンスにより、完全長ウイルスゲノムのdeep sequenceシステムを構築し、やはり病態進展に伴い、PreSからS領域といった構造領域に欠失が出現することを明らかにした。 ●肝癌の生物学的悪性度と臨床経過、および分子標的治療薬感受性の検討:肝癌における免疫チェックポイント阻害剤治療効果とCXCL10の関連について検討し、原発性肝癌において、治療前からCXCL10高値症例では、免疫チェックポイント阻害剤治療効果が高い傾向にあることを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CXCL10等のケモカイン動態が、肝疾患全般において老化と炎症を反映している可能性や、ケモカインと免疫チェックポイント阻害剤反応性との関連が示されるなどの新しい知見が得られつつある。またHBV、HCV共に全長の一分子シークエンシングシステムが構築され、病態進展と関連するウイルス1分子で変異・欠失の直列の関連が示されつつある。
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今後の研究の推進方策 |
SASPと関連するケモカインを中心とした血中分子と老化・炎症の関連については引き続き、検討を進めてゆく。一方、肝組織を用いた老化関連分子の組織発現とケモカインとの関連の検討を、今後より行ってゆきたい。また背景肝疾患によって異なる老化関連分子の病態関与を、さらに明らかにしてゆく必要があるものと考える。
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