研究課題/領域番号 |
23K24360
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補助金の研究課題番号 |
22H03100 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
合山 進 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (80431849)
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研究分担者 |
長門石 曉 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30550248)
高橋 宏隆 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (70432804)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | lncRNA / 骨髄系腫瘍 / NEAT1 / CRISPR/Cas13 / 核酸医薬 / NONO / Cas13 / Split-GFP |
研究開始時の研究の概要 |
DNAから転写されるRNAには、タンパク質をコードするRNA(mRNA)と、タンパク質をコードしないノンコーディングRNA(ncRNA)がある。これまではmRNAが研究の中心だったが、最近の研究でncRNAも様々な生命現象の制御に関与していることがわかってきた。本研究では、長鎖ノンコーティングRNA (long noncoding RNA:lncRNA)の動態を解析するための新しい技術を開発し、またlncRNAを標的とする核酸医薬もしくは低分子化合物を開発する。
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研究実績の概要 |
DNAから転写されるRNAには、タンパク質をコードするRNA(mRNA)と、タンパク質をコードしないノンコーディングRNA(ncRNA)がある。これまではmRNAが研究の中心だったが、最近の研究でncRNAも様々な生命現象の制御に関与していることがわかってきた。本研究では、長鎖ノンコーティングRNA (long noncoding RNA:lncRNA)の動態を解析するための新しい技術を開発し、またlncRNAを標的とする核酸医薬もしくは低分子化合物を開発する。これまでに、骨髄系腫瘍細胞で高発現し、治療抵抗性に関与するRNAおよびRNA結合タンパクを、OOPS法およびCRISPR/Cas9 libraryスクリーニングを用いて同定した。また、パラスペックル構成因子であるNEAT1 (lncRNA)-NONO(RNA結合タンパク)複合体を対象に様々な技術開発を行い、NEAT1-NONO結合を可視化するdCas13/Split-GFPシステム、NEAT1-NONO結合を定量することのできるdCas13/Split-NanoBitシステム、そしてNEAT1-NONO複合体周囲の分子をビオチン化するdCas13/Split-TurboIDシステムを開発した。さらに、dCas13/Split-TurboIDシステムを用いて、NEAT1-NONO複合体と相互作用する分子やゲノム領域の網羅的解析を行い、RNA修飾制御因子Xを新たなパラスペックル構成因子として同定した。さらに、骨髄系腫瘍におけるIMPDH(GTP合成系の律速酵素)やDTX2(E3ユビキチンリガーゼ)、SETDB1(ヒストンH3K9メチル化酵素)、HDAC7(ヒストン脱アセチル化酵素)の役割を明らかにするとともに、赤白血病およびt(8;21)転座の新しいマウスモデルを作製した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、以下の研究を行った。ここまでは予定どおり順調に進んでいる。 (1) 骨髄系腫瘍細胞におけるRNA結合タンパクの役割解明:RNA結合タンパクを標的とするsgRNA libraryを用いてCRISPR/Cas9 library screeningを行い、Decitabineの治療効果を増強、もしくは減弱させる分子を同定した。OOPS法で同定したDecitabine治療時に増加するRNA-タンパク複合体の情報と統合して、骨髄系腫瘍の増殖および治療抵抗性に関与するRNAおよびRNA結合タンパク候補を明らかにした。今後、これらの候補分子について個別に検証を進める。 (2) NEAT1-NONO複合体のインタラクトーム解析:dCas13/Split-TurboIDシステムを用いてNEAT1-NONO複合体と相互作用する分子やゲノム領域を同定した。その結果をもとに、RNA修飾制御に関与する分子がパラスペックルの構成因子の一つであることを明らかにした。 (3) 骨髄系腫瘍の病態解析l: 単球性白血病におけるヒストンメチル化酵素SETDB1の役割を明らかにした。また、赤白血病のマウスモデルを作製し、赤白血病におけるHDAC7の役割を解明した。さらに、TP53欠失を伴うt(8;21)白血病のマウスモデルを作製した。
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今後の研究の推進方策 |
相互に関連する以下の3つのプロジェクトを推進し、骨髄系腫瘍を対象とする新しいRNA標的療法を開発する。 (1) 骨髄系腫瘍細胞におけるRNA-RNA結合タンパクの役割解明:骨髄系腫瘍をDecitabine等の治療薬で処理した時のRNAおよびRNA結合タンパクの発現変化を調べ、治療抵抗性に関与するRNA-RNA結合タンパク複合体を同定する。また、最近開発したdCas13/Split-GFPやTurboIDシステムを活用して、RNA-RNA結合タンパク複合体が形成する分子ネットワークの全貌を明らかにする。 (2) RNAを標的とした骨髄系腫瘍治療の開発:CRISPR-Cas13やCas7-11を活用したNEAT1標的療法の開発を進める。脂質ナノ粒子(Lipid NanoParticle: LNP)にCas13とcrRNAを封入し、これを細胞に添加することでNEAT1のノックダウンと細胞増殖抑制を達成できるかどうかを検証する。また、NEAT1と相互作用するRNAやタンパクを網羅的に同定し、NEAT1やパラスペックルとの関連を解明する。さらに、融合遺伝子や変異遺伝子にコードされているRNAを標的とした新しい治療法を開発する。 (3) CRISPR-Cas13を用いた網羅的RNAノックダウン実験:全RNAを標的とするcrRNA libraryを作製し、CRISPR-Cas13 libraryスクリーニングを行う。スクリーニングで同定したRNAを個別にノックダウンし、骨髄系腫瘍の分裂や細胞死に及ぼす影響を検証する。これにより、NEAT1同様に骨髄系腫瘍における治療標的となるRNAを同定する。
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