• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

末梢自己反応性B細胞の生体恒常性維持における役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K24371
補助金の研究課題番号 22H03112 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
研究機関九州大学

研究代表者

田中 伸弥  九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (80462703)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2026年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2025年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
キーワード自己免疫疾患 / 免疫寛容
研究開始時の研究の概要

これまでの研究によって、B細胞特異的B細胞欠損マウスでは、自己免疫疾患が発症することが明らかになっており、Tet分子がB細胞の末梢寛容に重要な役割を担っていることが示唆されている。本研究計画では、Tet分子がどのようにしてB細胞の末梢寛容を誘導するのか、その分子機序を解明する。また、本マウスモデルの自己免疫疾患においては、B細胞によるCD4陽性T細胞の活性化によって同疾患が引き起こされることが示唆されているので、同T細胞を同定し、活性化を制御するメカニズムを解明する。また、寛容B細胞が生体防御に寄与する際には、再活性化必要となるが、その過程にTet分子が関与するかについても検討する。

研究実績の概要

Tet分子のB細胞受容体刺激における内因的役割を検討する為、モデル抗原HEL特異的B細胞受容体のTgマウスを用いて実験を行った。HELタンパク質を同Tgマウスに継続的に投与することで疑似的なアナジー状態を誘導し、同マウスより単離したB細胞を、培養系を用いて解析したところ、Tet分子欠損条件下においては、野生型と比べ、活性化分子の発現が遷延化することが明らかになった。この結果は、Tet分子が、B細胞受容体刺激によって誘導されるシグナルの継続的伝達を何等かの分子メカニズムを介して、抑制する役割を担っていることを示唆していた。また、老齢個体を解析したところ、Tet欠損条件下においてのみ、老化マーカーが上昇している結果を得た。このことは、Tet分子が、細胞老化の抑制に寄与する可能性を示唆していた。さらに、研究代表者が樹立したB細胞特異的欠損マウス (自己免疫疾患モデルマウス) において、自己反応性T細胞を同定し、解析する為、T細胞活性化を可視化するレポーターマウスを樹立を試みた。この新規レポーターマウスにおいては、レポータータンパク質を発現するCD4陽性T細胞が血中内に存在することが明らかになった。これまでに、制御性T細胞の一部においてT細胞受容体のシグナルが活性化している集団が存在することが報告されており、本研究結果は、この報告と一致する現象であることから、樹立したレポーターシステムの機能性を示唆するものと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

B細胞受容体による抗原認識時にTet分子が同受容体由来のシグナルの遷延化を抑制することが示され、このメカニズムがB細胞の末梢寛容に寄与している可能性が示唆された。また、Tet分子が細胞老化を抑制する新規の役割がある可能性が示唆された。今後、これらの分子メカニズムの解明への展開が予期される。さらに、研究代表者が樹立した自己免疫疾患マウスモデルと組み合わせることで、自己反応性T細胞を検出する為のレポーターマウスが作製され、その機能性が概ね確認された。今後、自己反応性T細胞の解析が可能になると考えられる。以上のことから、計画研究は順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

今後は、これまでに得られた知見を元に、Tet分子に依存した自己寛容を維持する、または、細胞老化を抑制する分子メカニズムを明らかにする為、Tet標的分子の同定を行い、その機能解析を実施する。また、T細胞活性化レポーターマウスの基礎的解析を実施し、その機能性、信頼性を精査する。その後、独自の自己免疫疾患マウスと組み合わせることで、自己反応性T細胞の解析へと展開する。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Upregulated Fcrl5 disrupts B cell anergy and causes autoimmune disease2023

    • 著者名/発表者名
      Chisato Ono, Shinya Tanaka, Keiko Myouzen, Takeshi Iwasaki, Mahoko Ueda, Yoshinao Oda, Kazuhiko Yamamoto, Yuta Kochi, Yoshihiro Baba
    • 雑誌名

      Frontiers in Immunology

      巻: 14 ページ: 01-14

    • DOI

      10.3389/fimmu.2023.1276014

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Quiescent B Cells Acquire Sensitivity to Cell Cycle Arresting Agents by B Cell Receptor Stimulation2022

    • 著者名/発表者名
      Takanatsu Hosokawa, Shinya Tanaka, Takeshi Mori, Yoshihiro Baba, Yoshiki Katayama
    • 雑誌名

      Biological & Pharmaceutical Bulletin

      巻: 45 号: 7 ページ: 847-850

    • DOI

      10.1248/bpb.b22-00176

    • ISSN
      0918-6158, 1347-5215
    • 年月日
      2022-07-01
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Silencing and activating anergic B cells2021

    • 著者名/発表者名
      Shinya Tanaka, Wataru Ise, Yoshihiro Baba, Tomohiro Kurosaki
    • 雑誌名

      Immunological reviews

      巻: 307 号: 1 ページ: 43-52

    • DOI

      10.1111/imr.13053

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi