研究課題/領域番号 |
23K24375
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補助金の研究課題番号 |
22H03116 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
吉田 栄人 金沢大学, 薬学系, 教授 (10296121)
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研究分担者 |
水上 浩明 自治医科大学, 医学部, 教授 (20311938)
伊従 光洋 武蔵野大学, 薬学部, 教授 (20608351)
山本 祐太朗 金沢大学, 薬学系, 特任研究員 (30895446)
小川 良平 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (60334736)
水野 哲志 金沢大学, 医学系, 助教 (60882230)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 三日熱マラリア / ワクチン / 感染防御 / 伝播阻止 / ウイルスベクター / ワクシニアウイルス / アデノ随伴ウイルス / 熱帯熱マラリア |
研究開始時の研究の概要 |
ワクシニアウイルスLC16m8deltaとアデノ随伴ウイルスAAVよりなる三日熱ワクチンを開発する。感染防御・伝播阻止標的抗原遺伝子を導入したワクチンを作製。動物免疫-感染チャレンジ実験(マウスモデル)および感染者血液を用いた実験を実施し,マイルストーンとして感染防御効果>90%、伝播阻止効果>90%の数値目標を設定する。さらに効果、コスト、デリバリーに優れた理想の熱帯熱・三日熱マラリア2価ワクチンも並行して開発する。感染地域での実験も含んでおり、臨床応用に向けての重要かつ持続可能な研究課題である。アウトブレイクが危惧される感染症に対しても,純国産ワクチンプラットフォームを提案する。
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研究実績の概要 |
【研究目的】ワクシニアウイルスワクチン株LC16m8Dとアデノ随伴ウイルスAAVよりなる独自のワクチンプラットフォーム(LC16m8D/AAV)を技術基盤とし、三日熱ワクチンを開発する。三日熱マラリア原虫の感染防御・伝播阻止標的抗原遺伝子を導入したLC16m8D/AAVワクチンを作製。動物免疫-感染チャレンジ実験(マウスモデル)および感染者血液を用いた人工膜蚊吸血実験を実施し,3感染防御効果>90%、伝播阻止効果>90%の数値目標を設定する。さらに研究の発展型として、効果、コスト、デリバリーに優れた理想の熱帯熱・三日熱マラリア2価ワクチンも並行して開発する。感染地域の海外研究協力者が参加した臨床応用に向けての重要な意義があり,かつ持続可能な研究課題である。新興・再興感染症に対しても,汎用的な純国産ワクチンプラットフォームを提案する。
【研究成果】感染防御抗原PvCSP遺伝子及び伝播阻止抗原Pvs25遺伝子を導入したm8D/AAVワクチンを作製した。BALB/cマウスに2ドース異種プライムブースト法で免疫し、感染防御効果および伝播阻止効果を検証した。その結果、感染防御効果に関しては、PvCSP遺伝子置換組換えP. bergheiスポロゾイトチャレンジに対して、免疫1ヶ月後では100%、8ヶ月後でも60%と非常に高い感染防御効果を維持した。伝播阻止効果に関してもブラジルのPv患者血液を用いた蚊へのex vivo伝播阻止試験で >95%の高い伝播阻止効果が示された。2ドース接種にもかかわらず、PvCSP及びPvs25に対し高い抗体価 (>10E5)を8ヶ月間持続維持していた。加えて、三日熱マラリア原虫のスポロゾイト表面に存在するCSP (Circumsporozoite protein)の遺伝的多型が3種類(VK210、VK247、Pv-like)に効果的なユニバーサルワクチンの構築を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
三日熱ワクチンの感染防御・伝播阻止両効果についてP有効性をマウスモデルおよびブラジルの三日熱患者血液を用いた実験において立証した。その研究成果は2023年第78回日本寄生虫学会西日本支部会、日本薬学会北陸支部会(優秀発表賞受賞)および第93回日本寄生虫学会大会で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は臨床試験に向けて非ヒト霊長類モデルを用いた安全性・有効性の評価を行う計画である。ブラジルではPv感染がマラリア感染の90%を占め、年間12万人以上の感染が報告されている。特にアマゾン地域ではPv感染対策・防疫の強化が切望されている。現在2国間交流事業を推進中であり、現地での国際共同研究を立案している。
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