研究課題/領域番号 |
23K24378
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補助金の研究課題番号 |
22H03119 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
上野 貴将 熊本大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, 教授 (10322314)
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研究分担者 |
野村 拓志 熊本大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, 講師 (80711001)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | SARS-CoV-2 / 新型コロナウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
約20年の間に7種類のコロナウイルスがヒトに入り、その1つであるSARS-CoV-2によるアウトブレークが世界的に広がる事態となった。新興コロナウイルスに対する備えを高めることが世界共通の目標として求められている。本研究では、広汎なコロナウイルスに対して免疫記憶を維持するヒトCTLを網羅的に探索し、汎コロナワクチンとしての有用性を検証し、将来のパンデミックに備える体制強化に貢献したい。
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研究実績の概要 |
本年度は、アフリカ地域のタンザニアのダルエスサラーム市の3つの地域中核病院においてリクルートした200名の医療従事者より、ワクチン等の接種歴、新型コロナウイルスの感染歴を尋ねるとともに、血液の提供を受けた。その血漿画分について、SARS-CoV-2感染の既往歴(スパイク蛋白質およびヌクレオカプシド蛋白質に対する結合体のレベル)を評価した。その結果、新型コロナウイルスに対するワクチンの接種者は、10%(20名)にとどまっていた。COVAXを通じて新型コロナウイルスのワクチンは、タンザニアにも広く供給する体制が取られたことから、ワクチン接種が低い原因としては、パンデミック当初に大統領および政府が取った反ワクチンキャンペーンの影響と示唆された。一方、新型コロナウイルスに対する抗血清価を調べたところ、97%が陽性を示したことから、ほぼ全員がパンデミック初期に感染したものと示唆された。本人からの聞き取り調査では、入院が必要と判断された症例は6例と非常に少数にとどまっていた。これらのことから、タンザニアでは、パンデミック初期に新型コロナウイルス感染が広く蔓延したが、重症を示した症例は少数にとどまったと考えられた。ワクチンが広まらなかったことから、新型コロナウイルスに対する免疫応答はほぼ自然感染によって成立したものと示唆された。これらの検体を用いて、これから来年度に向けてT細胞応答の解析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ムヒンビリ健康科学大学(タンザニア)との共同研究で、ダルエスサラーム市の地域中核病院で医療従事者から研究参加者を募り、新型コロナウイルス感染状況、病態症状、ワクチン接種歴などを調査して、タンザニアにおける疫学的な解析を実施できた。同時に、血液検体を採取して、血漿と血球成分に分離後、凍結してから日本に送付した。血漿を用いて感染歴などの解析を実施し、ウイルス特異的なT細胞応答の解析を実施する準備が整った。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までに、ムヒンビリ健康科学大学(タンザニア)との共同研究で、ダルエスサラーム市の地域中核病院で医療従事者から研究参加者を募り、新型コロナウイルス感染状況、病態症状、ワクチン接種歴などを調査して、タンザニアにおける疫学的な解析を実施できた。血漿を用いて感染歴などの解析を終えたことから、これらの末梢血単核球を用いてウイルス特異的なT細胞応答の解析をエリスポットあるいはフローサイトメトリーを用いて実施する予定である。
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