研究課題/領域番号 |
23K24402
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補助金の研究課題番号 |
22H03143 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
調 憲 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70264025)
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研究分担者 |
矢島 俊樹 香川大学, 医学部, 教授 (20346852)
佐藤 賢 群馬大学, 医学部, 非常勤講師 (40396619)
高橋 昭久 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 教授 (60275336)
市川 聡 北海道大学, 薬学研究院, 教授 (60333621)
横堀 武彦 群馬大学, 未来先端研究機構, 准教授 (60420098)
佐伯 浩司 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80325448)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2024年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | Galectin 3阻害 / 難治癌 / 臓器線維化 / Galectin 3 / 膵がん / 癌線維芽細胞 / 臓器線維 / galectin 3阻害 |
研究開始時の研究の概要 |
新規低分子化合物であるGal-3阻害剤を開発する。新規化合物のGal-3への結合性、親和性を検証したうえで、その薬効を難治癌の代表である膵癌モデルや肝硬変モデルで検討し、その病態におけるGal-3の役割を明らかにするとともに臨床的な新規薬剤としての可能性を追求、明らかにする。
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研究実績の概要 |
前年度はまずGalectin 3(gal 3)結合性を評価するアッセイ系の確立を行い、各化合物のgal3結合能については、サーマルシフトアッセイ、表面プラズモン共鳴アッセイ、等温滴定カロリメトリーにより多角的に評価し、5種類程度の高親和性誘導体を獲得した。さらにヒドロキシルアミンリンカーを導入した誘導体において、結合能が10倍程度向上することが明らかとなった。 候補薬剤に対してGal3発現の程度の異なる複数の膵がん細胞株に対するin vitroのアッセイを繰り返した。次に蛍光標識したGal3高親和性的分子化合物を用いて、化合物の細胞内取り込みを検討したところ、細胞質内に蛍光が観察され、細胞内に化合物が取り込まれていることを確認した。次いで、高親和性Gal3化合物に抗がん剤やセリンプロテアーゼを結合した化合物を生成し、これらの効果を2種類の膵がん細胞株(Suit2, Panc 1)にて検討した。しかしながら、われわれのGal3高親和性化合物は抗がん剤やセリンプロテアーゼを結合した化合物を含め10ng/ml~100μg/mlの濃度範囲で明らかな細胞増殖抑制効果を認めなかった。近年、Gal3阻害剤においては直接の殺細胞効果のみならず、血管新生阻害効果や腫瘍免疫促進効果が報告されている。そこでわれわれはin vitroで膵がん細胞株と活性化PBMC(ヒト末梢血単核細胞)の共培養系を用いて、われわれのGal3高親和性化合物の効果を検討したところ、Gal3高親和性化合物は活性化PBMC存在下で膵がん細胞の増殖を抑制した。この結果をもとにわれわれはin vivo系においてわれわれのGal3 高親和化合物の効果を検討することとした。現在ヒトがん細胞株、マウスがん細胞株を用いたマウス皮下腫瘍モデルにて効果を検討することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の進捗状況はやや遅れている。われわれの候補薬剤が予測に反して直接の抗がん作用を複数の膵がん細胞株に対して示さなかったことが原因である。しかしながら、in vitro系において活性化PBMCの効果を増強する作用が見えており、われわれの新規薬剤はむしろin vivoの系において効果を発現することが予測される。In vivoのモデルは既に確立されているため、迅速な 評価は可能と考えている。このような状況から研究期間内に目標を達成することは可能と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
In vitro系において活性化PBMCの効果を増強する作用が見えており、われわれの新規薬剤は腫瘍免疫を促進する可能性がある。このほか、先行論文では血管新生抑制効果が報告されている。そのため、むしろin vivoの系において効果を発現することが予測される。今月中にはin vivo系における効果確認は終了する予定である。同種同系マウスと用いた系とヒト膵癌細胞株をSCIDマウスに用いる系で検討する。In vivoのマウス皮下腫瘍モデルは既に確立されているため、迅速な 評価は可能と考えている。同時に他の薬剤候補についても検討をすすめることで、研究の推進を図る。
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