研究課題/領域番号 |
23K24418
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補助金の研究課題番号 |
22H03159 (2022-2023)
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 (2024) 補助金 (2022-2023) |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
坂上 倫久 愛媛大学, 医学系研究科, 講師(特定教員) (20709266)
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研究分担者 |
高橋 宏隆 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (70432804)
青野 潤 愛媛大学, 医学部附属病院, 医員 (70512169)
倉田 美恵 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 講師 (80423440)
泉谷 裕則 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (90419200)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2025年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 心血管系 / 大動脈弁 / 骨芽細胞 / 間質細胞 / 石灰化 / トランスクリプトミクス / 血管内皮細胞 / 心血管 / 弁膜症 / シングルセル / トランスレーショナルリサーチ |
研究開始時の研究の概要 |
心血管系は全身に酸素や栄養を供給するための駆動源であるが、大動脈弁はその心血管系の恒常性維持にとって重要な役割を担っている。しかし、大動脈弁間質において異所性に分化した骨芽細胞によるカルシウム沈着が起こると、弁が狭窄し心不全のリスクが増大する。本研究では、大動脈弁組織において出現する骨芽細胞の分化シグナルカスケードを明らかにし、またその骨芽細胞の起源となる細胞の特性を明らかにすることで、大動脈弁狭窄症発症の分子メカニズムの全容を解明する。
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研究実績の概要 |
大動脈弁において石灰化や線維化が起こると大動脈弁狭窄症を発症し、無処置の場合には心不全により突然死に至ることがある。従って、大動脈弁組織における石灰化の分子メカニズムを明らかにすることは非常に重要である。最近、大動脈弁石灰化には弁間質細胞の骨芽細胞への分化が重要であるとの報告があり、異所性の骨芽細胞分化分子機構解明が、AS治療法確立に重要であると言われている。本年度は、外科的手術によって得られたヒト石灰化大動脈弁組織から弁間質細胞を単離培養し、トランスクリプトーム解析によって骨芽細胞のマーカーを高発現する細胞の特性解析を実施した。その結果、特定の患者においてのみ骨芽細胞や軟骨細胞のみで発現する遺伝子を高発現することがわかった。これらの石灰化を誘発する細胞は、正常弁では全く認められないものの、大動脈弁組織の中でも石灰化病変周囲で増殖しており、石灰化への寄与が強く示唆された。現在、これらの細胞をシングルセルレベルで遺伝子発現プロファイルを解析しており、大動脈弁間質細胞の中でも骨芽細胞へ分化誘導されやすい細胞と、分化誘導を受けにくい細胞それぞれの細胞特性を明らかにする。また、非石灰化大動脈弁組織由来弁間質細胞を用いた骨芽細胞分化誘導実験を実施しており、これらの細胞分化過程におけるシングルセルトランスクリプトーム解析も並行して実施しており、現在データを詳しく解析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定していたシングルセルRNA-seq解析実施のために基盤技術を構築できており、またin vitro assay系についても構築を完了した。遺伝子欠損マウスについては現在解析のための個体作出を継続している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度では、実際にin vitro osteoblast differentiation assayの過程で骨芽細胞マーカーを発現し、石灰化を起こす大動脈弁間質細胞の遺伝子プロファイルを明らかにし、単一細胞レベルでの細胞分化系譜を明らかにする予定である。またマウス大動脈弁狭窄症モデルを用いた単一細胞RNA-seq解析も実施予定である。
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