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化学遺伝学を用いた下降性疼痛抑制系の操作で慢性疼痛治療薬のシードを探す

研究課題

研究課題/領域番号 23K24426
補助金の研究課題番号 22H03167 (2022-2023)
研究種目

基盤研究(B)

配分区分基金 (2024)
補助金 (2022-2023)
応募区分一般
審査区分 小区分55050:麻酔科学関連
研究機関岐阜大学

研究代表者

紙谷 義孝  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90381491)

研究分担者 佐々木 美佳  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任講師 (20774061)
上野 将紀  新潟大学, 脳研究所, 教授 (40435631)
大西 毅  新潟大学, 医歯学総合病院, 特任講師 (60804573)
倉部 美起  新潟大学, 医歯学系, 助教 (30635579)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
キーワード神経障害性疼痛 / 下行性疼痛抑制系 / 青斑核 / 化学遺伝学 / フラビン蛋白蛍光イメージング法 / 慢性疼痛 / in vivo電気生理学 / フラビンタンパク蛍光イメージング方 / アストロサイト / 神経可塑性 / 下降性疼痛抑制系
研究開始時の研究の概要

本研究では、下降性疼痛抑制系の活性を人為的に操作できる化学遺伝学受容体(designer receptor exclusively activated by designer drugs: DREADD)をアデノ随伴ウイルスを用いて遺伝子導入し、フラビンタンパク蛍光イメージング技術とin vivo電気生理学を用いて、下降性疼痛 抑制系と大脳皮質・脊髄をシステムとして活動を制御・可視化することにより、疼痛を抑制する神経の動作原理、特に下降性疼痛抑制系の活性化の連関を軸にして検証することを目的とする。このシステムに関与する分子機構の解明を通じて慢性疼痛の予防・治療につながる創薬標的を抽出する。

研究実績の概要

本研究では難治性疼痛の際に下行性疼痛抑制系機能がどのように変化しているのか、大脳皮質に焦点を当てて明らかにすることを目標としている。手始めとして、神経障害性疼痛モデルマウスを用いて脊髄及び大脳皮質一次知覚野における刺激に対する神経興奮をフラビン蛋白蛍光イメージング法を用いて測定した。総腓骨神経・脛骨神経を切離することにより作成したSNIモデルマウスにおいて、痛覚過敏性は術後4日目以降28日目まで同じレベルで推移したが、大脳皮質一次知覚野における刺激に対する神経活動は経時的に増大していた。一方で脊髄後角における刺激に対する神経活動は経時的にみると徐々に低下する傾向が見られた。さらに、in vivo標本を用いて脊髄後角における単一ニューロンの刺激に対する反応性をみたところ、これまでの報告同様、SNIモデルマウスにおいては刺激に対する単一ニューロンの興奮性が増大していることが明らかになった。これは脊髄におけるフラビン蛋白蛍光イメージング法の結果と一見矛盾するため、大脳皮質及び脊髄後角における免疫染色で神経細胞の数に変化があるかを確認したところ、脊髄・大脳皮質双方で神経細胞の減少は見られておらず、脊髄後角においてはPax2陽性抑制性介在ニューロンの数が減少していなかったことから、神経障害性疼痛モデルマウスの脊髄における刺激に対する反応性の変化は、脊髄後角に投射する知覚神経線維が神経障害によって少なくなることによるものだと考えられ、一方大脳皮質における反応性の増強は脊髄後角における後シナプス細胞の興奮性の増大によって生じることが示唆された。これはつまり下行性疼痛抑制系といった直接痛覚を伝達する神経系以外の経路による抑制が減弱していることを示唆している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究課題が採択された直後に研究代表者の異動があり、実験機器のセットアップを含め実験環境の構築に時間を要した。また、当該施設では遺伝子組換え実験の経験がなく、施設使用許可の取得にも時間がかかったため、研究を再開するのに多大な時間を要した。

今後の研究の推進方策

化学遺伝学受容体を導入するためのアデノ随伴ベクターはすでに研究分担者により作成済みであるため遺伝子導入を行い、遺伝子発現の状況を免疫組織学的手法を用いて確認する。その後化学受容体の活性化を介してモデルマウスにおける疼痛行動及び脊髄・大脳皮質における神経活動の変化をフラビン蛋白蛍光イメージング法により明らかにする。同時に下行性疼痛抑制系の神経伝達物質であるセロトニン・ノルアドレナリンを神経毒を用いてそれぞれ枯渇させることによって、脊髄及び大脳皮質における神経活動にどのような変化が生じるのかを並行して観察する。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Influence of the descending pain-inhibiting serotonergic pathway on the antihyperalgesic effect of gabapentin in neuropathic pain model rats2024

    • 著者名/発表者名
      Yanagimura Harue、Sasaki Mika、Baba Hiroshi、Kamiya Yoshinori
    • 雑誌名

      Neuroscience Research

      巻: 202 ページ: 20-29

    • DOI

      10.1016/j.neures.2023.11.003

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Structural and functional properties of spinal dorsal horn neurons after peripheral nerve injury change overtime via astrocyte activation2022

    • 著者名/発表者名
      Kurabe Miyuki、Sasaki Mika、Furutani Kenta、Furue Hidemasa、Kamiya Yoshinori、Baba Hiroshi
    • 雑誌名

      iScience

      巻: 25 号: 12 ページ: 105555-105555

    • DOI

      10.1016/j.isci.2022.105555

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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